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【ワインディレクター】ってどんな仕事? WINE@トップソムリエ田邉公一の魅力に迫る

2021.3.11

誰だって“おいしいワイン”を飲みたい。でも、“おいしいワイン”って何?

「ワイン選びにはいろいろなポイントがありますが、一つ大事なのは“その場にあるべきワイン”ということではないでしょうか」と語るのは、WINE@の人気コンテンツ【WINE SELECTORS(ワインセレクターズ)】のトップソムリエの一人、田邉公一さん。

一店舗に所属するソムリエとして仕事をするのではなく、「ワインディレクター」という肩書きを持ち、ボーダレスに活躍する田邉さん。その仕事やワインへの想い、その人柄に迫るべく、じっくりお話を伺いました。

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「ワインディレクター」ってどんな仕事?

編集部

田邉さんは、ソムリエとしてだけでなく、多岐にわたる仕事をされていますね。また、日本酒の難関資格「SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL」を持つ一人でもいらっしゃる。「ワインディレクター」という仕事について、少し具体的に教えていただけますか。

田邉公一さん(以下、敬称略)

私の働き方は、業界の中ではちょっと特殊かもしれません。国内外のワイナリーや酒蔵を訪ね歩きながら、その知識や経験をもとに、複数のレストランやワイン関連会社のワインセレクションやスタッフ教育を行なっています。そのほかに、各種イベント監修やコメンテーター、プロモーション活動、ワインスクールの講師なども務めながら、飲料全体のクオリティアップに取り組んでいます。

ですから自分では、ワインの、あるいは飲料全体に関わる“ディレクター”だと思っています。

編集部

なるほど。提案したり指導したり、また全体の指揮を執る仕事だから、“ディレクター”というわけですね。

サービスのプロから、プロの中のプロへ

編集部

ワイン業界に入られたきっかけは、どのようなことだったのでしょうか?

田邉

私は山口県の出身なんですが、大学生の時に神戸のバーでアルバイトをしていたのが、まずお酒の仕事に携わるようになったきっかけです。卒業後、そのまま神戸に残り、老舗のフレンチ「北野クラブ」で働くことに。レストランですので、当然バーの知識だけではだめで、ワインのことがわからないと仕事にならない。サービスマンとしての前線に立つために、ワインの勉強をしました。

編集部

ソムリエとしての活躍の始まりですね。その後、東京でもいろいろな飲食店で経験を積まれて、今では「ワインディレクター」として多岐にわたる仕事をされていますが、それはどういった流れだったのでしょうか?

田邉

ソムリエと一口に言ってもいろいろな業務がありますが、自分はサービスそのものの技術を高めること以上に、料理とのペアリングを考えたワイン選びやそれを発信していくことが得意だなと感じるようになっていったんです。ワインスクールでの講師もそうですね。

一つひとつ取り組んでいるうちに、外部からの仕事の依頼も自然発生的に増えてきて。一つの店舗で働いていると、ワインの監修、バーアルコール、日本酒なども含めた飲料全てを含めた提案を外部で行なったり、世界の産地や造り手を訪ねたりすることは難しい。そんな流れで「ワインディレクター」として仕事をするようになりました。

編集部

いろいろなお仕事をされていますが、今もソムリエとしても現場に立たれていますよね。

田邉

はい。いわゆるワインコンサルタントの仕事をしているだけでは、実際に食事をしているお客様の息遣いというか、現場のことが見えてこなくなってしまいます。ワイン業界に貢献するためにも、今も現場に入る機会を作っています。それが、コンサルタントとしての自信にも繋がっているのかもしれません。

編集部

ワインセレクションから教育までいろいろ携わっていらっしゃいますが、その中でも一番得意としている仕事は何ですか?

田邉

ワインの造り手とお客様を繋げることでしょうか。生産者の素晴らしさを伝え、そのワインが本当に輝く料理を寄り添わせることこそ、私の仕事だと考えています。

「良いワイン」や「おいしいワイン」とは何か

編集部

ちょっと難しい質問をしてしまいますが、田邉さんにとって「良いワイン」もしくは「おいしいワイン」とは、どんなワインでしょうか?

田邉

そうですね。一つ定義するとしたら「その場にあるべきワイン」だと思います。ワインは飲むシチュエーションで随分と印象が変わります。飲み手は、レストランやビストロ、居酒屋だけでなく、自宅や野外でも楽しみますよね。

レストランならシェフの料理や想いがあり、またそのお店ならでは雰囲気や価格帯もある。当然、お客様の好みや状況もあります。飲み手のことも客観視しながら、そうしたさまざまな要素を考慮して、ワインをアジャストするわけです。

編集部

「その場にあるべきワイン」を選ぶポイントとして、料理とのマリアージュや生産地などいろいろあると思いますが、特に大事にされていることはなんでしょうか?

田邉

ワインを選ぶ時のアプローチは複数あった方が良いと思うので、総合的に判断しています。

ワインの骨格の強度、タンニンと酒質のバランス、色調、価格帯、味わいのボリュームなど、寄り添わせるポイントの数が多いほどワインと料理はマッチし、マリアージュの完成度は高くなります。

それには、自分の中に多くのワインをインプットしておかなければならない。だからワイン単体と向き合い、テイスティング技術を高めていくことも重要になります。私は、テロワール、つまりその産地の「らしさ」が出ていることを重要視しながら、価格も含めてバランスが取れているものを「良いワイン」と考えています。

ディレクションに大切なのは、人間力

編集部

総合的に判断できる力こそ、田邉さんの真骨頂と言えそうですね。田邉さんがワインの選定力を極めていかれる中で、日々努力されていることはありますか?

田邉

メンタリティーを鍛えること。食べ物や飲み物の味わいの感じ方というのは、そのときのその人の心理的な要素がとても大きく影響します。その心理的要素をうまくつかんでお客様に提案するには、勧める側である私も人間力を上げなくてはなりません。

編集部

人間力をあげるために具体的に努力していることはありますか?

田邉

読書です。ワイン関連だけでなく、ビジネス、マーケティング、ライティング、心理学書など、人との接し方の役に立ちそうなものは、手当たり次第読んでいます。今、一番興味があるのは、質の高い文章を書くための指南書で、10冊以上は読んでいますね。

理解してもらうための工夫はとても大事で、実際に私のワインスクールでの講義の展開も変わってきたと思います。ワインに親しむ多くのユーザーの力になるために、もっと情報発信能力を高めていこうと思っています。

編集部

ちなみに、プライベートで最近はまっていることはありますか?

田邉

あ、筋トレですかね(笑) 以前はソムリエとして体力が続かないこともあったのですが、今では腰痛や肩こりも解消。トレーニング方法はもちろん、プロテインや日々の食事も探求するようになって…。

編集部

ご自宅で料理をする機会も増えたとか?

田邉

そうですね。ペペロンチーノのようなシンプルなパスタ料理も、ちょっとしたことで変わるので面白いです。あと、焼鳥も自分で鶏肉を切って、串打ちして、グリルセットを使って焼いたり…。実際にやってみるとわかることが多い。ワインに通じるところもあるかもしれません。

 

田邉 公一(たなべ・こういち)
1977年山口県生まれ。学生時代にワインに目覚め、これまでに世界11ヵ国を旅してソムリエ修行を行ってきた。現在は、青山、代官山等の都内レストランのワインセレクトと監修を行う。ワインスクール講師歴13年。「ワイン、日本酒、さまざまな飲み物と料理のペアリング。毎日の食事を豊かにする」がテーマ。

■Myワイン評価基準
その国、その土地らしさが表現されている
料理やシチュエーションがインスピレーションできる多様性を持っている
コストパフォーマンスに優れている

■田邉公一さんがセレクトするおすすめワイン&詳しいプロフィールは こちら

 

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