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あの店に行ってみた!

【イスラエル料理タイーム】“フムス”と南仏白ワインが至福のペアリング!

2021.2.15

レストランにお気に入りのワインを持ち込む、BYO。知ってはいるけど、まだなじみがないせいか若干躊躇しますよね。ただ持ち込めばいいんだよ、と言っても、みんなどんなふうに持ち込んでいるのか気になるところ。

そんな躊躇する人の背中をポンっと押せたらいいな、ということで、リアルなBYO体験談をご紹介します!

今回は、恵比寿と広尾の中間にある、「イスラエル料理タイーム」にワインを持ってお邪魔しました。おいしい、楽しい、うれしいが味わえるBYO、ぜひやってみてください!

本記事の元になりましたBYOでの食事体験は、2020年11月に行われたものになります。緊急事態宣言発出中は、十分に感染防止対策に努めながら無理な外食は控えましょう。本記事は、また心ゆくまでBYOを楽しめる日が来る時に備え、参考にしていただければ幸いです。

アットホームな雰囲気で、こだわりのイスラエル料理が楽しめる店

恵比寿駅から10分ほど歩き、広尾一丁目の交差点のすぐそばに位置するお店。小さなお店で見逃しそうだけれど、ガラスの扉と大きな窓に書かれている【タイーム】【Ta-im】の青い文字を見て「ここだ!」とすぐ確信できます。わかりやすくてありがとう!

「イスラエル料理」と聞くと、どんなものなのか想像しにくいかもしれません。言うなれば、“ヨーロッパ風の中東系地中海料理”。世界各地に住んでいた、主にユダヤ系民族が集まってできている国なので、彼らが暮らしていた各地の料理が寄り集まって、イスラエルの家庭でもレストランでもよく食べられる料理が、イスラエル料理となったようです。

先日、ランチでこのお店を訪れた同僚が、あまりのおいしさに感激し、「フムス」を食べて合わせるワインを妄想してしまったとか。これはもう、その“妄想ワイン”を持参して、実際にペアリングを楽しむしかない!ということで、仕事終わりにワイン大好き女子3人で訪れました。

Ta-im
  • 住所:東京都渋谷区恵比寿1‐29‐16 ベルハイムC
  • TEL:03-5424-2990

「イスラエル料理タイーム」が気になったらWINE@の店舗情報をチェック!お店の予約、ワインの持ち込みの方法は手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法をご覧ください。

甘いようで甘くない、コクはあるけどしつこくない…フムス

同僚がペアリングを妄想した料理「フムス」は、イスラエルで最もポピュラーな料理かもしれません。料理、というか、ディップのようなもので、いろんな食材につけて食べられます。ひよこ豆をベースに、練りごまやレモン汁、ニンニクやクミン、イタリアンパセリを混ぜ合わせてペースト状にした、トルコやギリシャで伝統的に食されている中東料理。もちろん、イスラエルでも食卓には欠かせない一品で、“日本の梅干し、韓国のキムチ”と同様の存在です。

タイームでも、パクチーやマッシュルーム、スパイシートマトやチキンなどに添えられたフムスメニューがありますが、一番の王道かつ人気はラム(羊肉)。ということで、「フムス ラム」をいただきました。

まずはフムスのみを口に運ぶ。奥深くてコクのある味わいがふわっと広がる。フムスだけでも十分おいしい!一番はやはり豆の香りが際立っていますが、いろんな風味が混ざり合って複雑。口当たりは滑らかでまろやか…うんうん、そうだよね、このフムスに合わせるならこんなワインだよね、ということで、同僚がBYOで持ち込んだ“妄想ワイン”はコレです。

南仏の、しみじみうまい、白ワイン

「2018 マス・デ・ブルース・ブラン」。フランスのラングドック・ルーション地方の小さな家族経営ワイナリーで造られたワインです。

IGPサン・ギレーム・レ・デセールという地味な産地ですが、パリ市内の有名ワインショップやレストランでもセレクトされる、フランス国内でも高い評価を得ているワインです。

飲んで納得!派手ではないけど薄っぺらくもない。南国系フルーツを思わせる香りも、華やかではあるけれど落ち着きもある。味わいも、フレッシュで爽やかさがウリの若者っぽさがあるようで、しっとりと円熟した大人の魅力も感じる。親しみやすい味わいだけど複雑さも感じるこのワインって!

シュナン・ブラン、ヴィオニエ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランを主体に、クレーレット、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノ、ミュスカなども使用。なんと8種類のブドウをブレンドしているんですね。こりゃ、さまざまな食材をフードプロセッサーで混ぜ合わせているフムスと相性抜群なわけです。

2018 マス・デ・ブルース・ブラン/マス・デ・ブルース
産地
フランス・ラングドック地方
品種
シュナン・ブランほか
タイプ
ミディアムフル辛口 白

ラムに合わせるなら、このワイン!

それではいよいよ、フムスと一緒にラムをいただいてみましょう!…うわっ!肉のうまみがすごい!ラム特有の臭みがまったくないのは、新鮮なお肉だから。ニュージーランド産のラム肉は、冷凍ではなくチルドで輸入され、使用部位はチャックロールというこだわりよう。

表面はカリッと中はふわっと柔らかく、その食感もたまらない。これは、初めにオーブンで焼いた後、仕上げにオリーブオイルでソテーしているから。新鮮で、かつ脂身の少ない上質な素材に、シェフの丁寧な調理が合わさって、おいしくないわけがない!

万が一、おしゃべりに夢中になって箸が止まってしまっても、冷めてもおいしいラムにはあっぱれ。そしてそのラムのうま味にも負けないフムスの実力たるや!“完敗”です。“乾杯”しなきゃ!

だけどラムの登場でもう「マス・デ・ブルース・ブラン」はいったんご退場いただくことに。残念ながら君じゃない。もっと自己主張の激しいワインを…ということで、たまたま、数日前に抜栓して2/3ほど残っているから、というだけの理由で連れてこられた「フラワーズ・ティント」が意外にもいい働きをしました。

NV フラワーズ・ティント/サルトン
産地
ブラジル
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

「NV フラワーズ・ティント」は、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローというボルドー品種から造られる、がっしりとした骨格あるタイプの赤ワイン。生産国はブラジル。ブラジルと聞くとアマゾンの熱帯ジャングルを想像されそうですが、いつだかオリンピックが開催されたリオ・デ・ジャネイロの夏の平均気温は26~27℃というから、東京よりも過ごしやすいところですね。

このワインが造られるブドウ畑は、リオよりも南、ウルグアイに隣接する、ブラジルの中ではほぼ最南端の場所。降水量も少なく、非常にブドウ栽培に適した地域で、このワインを造るサルトン社は、100年の歴史を持つワイナリーです。

気になるワインにうずうず…たまらず、マグカップで試飲するシェフ

「コレ、ブラジルのワインなんですよ」というと、オーナーでありシェフのダンさんは驚きつつもキラキラした目をしていました。

「飲みます?」といって注ぐしぐさをしますが、「いや…」と言って、仕事中だからか遠慮気味。「じゃあ、残しておくんで、仕事終わったら飲んでください」とコルクを刺して脇に置く。けれど、やっぱり気になるのか…愛用のマグカップに注いで味見していました(笑)おいしい!と感激してくれて、持ってきてよかったなぁと、こちらもほっこり。

もちろん、先に紹介した「マス・デ・ブルース・ブラン」もダンさん含めて3人のスタッフの方が試飲できる量を残しておいたので、ぜひフムスと一緒に味わってほしいなと思います。

ワインは、それだけでも楽しめるお酒ですが、基本は食中酒。料理と一緒に味わうことで楽しみがさらに広がります。その、おいしい、楽しいを共有できるのが、BYOの醍醐味。おいしいものは誰かに勧めたくなりますね

ファラフェルには“ガメイ”

次に、地中海料理でも定番となった、中東生まれのファラフェル。ひよこ豆のコロッケのようなもの。一般的には、ひよこ豆をフードプロセッサーでペースト状にし、そこにハーブやスパイスを混ぜ合わせ、大きな一口サイズぐらいの球状に丸めて素揚げしたものです。

タイームのこだわりは、ひよこ豆を水に浸した後、茹でずにフードプロセッサーに掛けること。クミンや白ごま、塩、コショウなどの他に、玉ねぎをたくさん使っていること。つなぎは一切使用せず、ほどよいしっとり感と玉ねぎのやさしい甘みがクセになります。

ハーブもたくさん使っているので、中身は緑色!でも風味に青さは感じないのは、玉ねぎの甘さのおかげ?やさしい風味のファラフェルには、肩ひじ張らないやさしい赤ワインが似合います。

今回は2017年のガメイ・ノワールを持参。これまたピッタリ。ガメイは、ボージョレ・ヌーヴォーでお馴染みの品種ですが、ヌーヴォーじゃないガメイのワインは、もっと落ち着いたお姉さん風情があって、程よい果実味と程よい酸が心地よく、食中としては万能なワインではないかと思っています。

イスラエルではナスもよく食べられているそう

私の大好きな野菜のひとつに“ナス”がありますが、イスラエルでもよく食べられる食材。イスラエル料理でよく出てくるのはフライ、もしくは素揚げのナスのようです。

タイームにもナス料理、もちろんありました。素揚げナスに“ラバネ”というチーズが乗っています。このラバネ、通称「ヨーグルト・チーズ」と呼ばれていて、水切りヨーグルトのようなもの。クリームチーズのような風味で、軽い酸味と滑らかさがあって癖がなく、揚げナスといいコンビネーションです。

この“揚げナスラバネ”には、最初に飲んだ白ワイン、「マス・デ・ブルース・ブラン」がピッタリでした。

BYOの面白さとは?

持込料を払って持参したワインを開ける。お得にワインを楽しむ方法として強調されがちなBYOですが、「お得」よりも、料理とのペアリングを積極的に考えてワインを楽しめるところに一番の魅力があるのではないかと思っています。

持参するワインを選ぶときもそうですが、持ってきたワインを目の前に置いて料理を選ぶときも「このワインに合いそうな料理ってどれだろう?」って考えたり。失敗しても、それもまた面白い。それに、「これはマズイ!」なんて組み合わせはそうそうないから大丈夫です(笑)。

もちろん、タイームにもワインは置いています。しかも、やっぱりイスラエルワイン!なかなか味わうことのない産地のワインだと思うので、持参ワインの他にグラスで1杯オーダーしてもいいかもしれません。言うまでもなく、イスラエル料理にぴったり合う味わいです。

今回は、たまたまランチで訪れたお店が気になったので、夜、ワインを持って再訪しました。こんな風に気負うことなくBYOをしてみると、もっとワインが好きになるから不思議です。

BYOができるお店はWINE@で検索!もちろん、ランチに行きたいお店を探してもOKです。

今回ご紹介したお店はこちら。

Ta-im
  • 住所:東京都渋谷区恵比寿1‐29‐16 ベルハイムC
  • TEL:03-5424-2990

お店の予約、ワインの持ち込みの方法は手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法をご覧ください。

本記事の元になりましたBYOでの食事体験は、2020年11月に行われたものになります。緊急事態宣言発出中は、十分に感染防止対策に努めながら無理な外食は控えましょう。本記事は、また心ゆくまでBYOを楽しめる日が来る時に備え、参考にしていただければ幸いです。

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塚原佐季子
ひょんなことから資格を取得し、そこからワイン業界に足を踏み入れたのが2016年。よくある家庭料理やコンビニ総菜と、どんなワインが合うのか妄想し実験するのが趣味。理屈っぽいのか、なんで合うのか合わないのかを考えて広く浅く知識を得ていくうちに、いつの間にかワインの魔王に取り付かれた憑かれたアラフィフ女子。こうなったらとことんワインバカになってやろうか、と思っている今日この頃。JSA認定ワインエキスパート 、CPA認定チーズプロフェッショナル。
2021年2月15日
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