TOP 話したくなるワインネタ 【カリフォルニアワイン】基本からトレンドまで。編集部おすすめの10本も紹介!
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【カリフォルニアワイン】基本からトレンドまで。編集部おすすめの10本も紹介!

2021.4.1

カリフォルニアのワインというと、どんなイメージがありますか?

ワイン初心者の方はあまり意識したことがないかもしれませんが、普段ワインをよく飲む人は「果実味が濃いワイン」「樽の香ばしさがしっかりあるワイン」「アルコール度数が高いワイン」…といったイメージを持っている人が多いかもしれません。

でも「カルフォルニア」と一口に言っても、実は色々な品種や気候風土があって、価格帯もかなり多岐にわたっています。

そこで今回は、初心者にも知ってほしい“基本のキ”から始めて、トレンドや最新トピックスもお伝えしつつ、編集部おすすめのワイナリーやワインの紹介、さらに“知っ得情報”までお届けします。

カリフォルニアってどんなところ?ワイン産地としての特徴は?

「カリフォルニア」と聞くと、あなたはどんな風景が浮かびますか?

LAのビーチ、ハリウッドやディズニーランド、坂の多いサンフランシスコの街…といった感じでしょうか?それも確かにカリフォルニアの顔ではありますが、実はカリフォルニア州はとても広大。北はオレゴン州との州境から南はメキシコとの国境まで続き、全長は約1,500km。車で移動すると単純計算でも15時間はかかります。日本の本州やイタリアが全長1,300km程度ですから、カリフォルニア州の広さは相当なものです。

地中海性気候と呼ばれる温暖で比較的雨が少ない気候エリアですが、それだけ広いわけですから土壌も様々。山も川もあり、海流と地形の特性から発生する霧などの影響もあり、多様な微気候(マイクロ・クライメット)が存在するのです。

そんな微細なテロワールから生まれるのですから、ワインにも多様性があって当然。

アメリカのワイン年間生産量は世界第4位ですが、その約8割がカリフォルニア州産。人口が多く消費量では世界No.1を誇るアメリカでは、確かに「果実味豊かで、樽香やアルコールもしっかりあるワイン」が多く造れられていますが、それだけではないということを、まず理解しておきましょう。

初心者にもわかりやすい!カリフォルニアワインのラベル

ワインビギナーの皆さんにカリフォルニアワインをおすすめしたいポイントの一つが、分かりやすさです。

カリフォルニアワインのラベルを実際に見てみると、その多くにはブドウの品種名が表示されています。【自分好みのワインを知るための品種のハナシ】は、このWINE@MAGAZINEでもシリーズで展開していますが、初心者にも味わいが想像しやすいわけです。

「ブルゴーニュの赤=ピノ・ノワール」のように、フランスやイタリアなどワインの伝統産国では、長い歴史と習慣から“常識”としてラベルには品種表記がないことが多く、それがワインビギナーにとっては、大きなハードルに…。カリフォルニアのワインであれば、ほとんどその心配がないわけです。

ちなみに、代表的なブドウ品種としては、白ワインではシャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、赤ワインではカベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、ジンファンデルなどが挙げられます。

「ニュー・カリフォルニア」とは? サステナブル&豊かな食文化とともに

昨今の健康志向や素材重視のナチュラル志向による食のライト化の中で、未来を見据えたサステナブル(持続可能)でエシカル(倫理的)なワイン造りを、飲み手も求めるようになってきました。そうしたトレンドを受け止め、リッチでパワフルなワインだけではなく、よりエレガントな味わいを追求したワインが、カリフォルニアでも造られるようになったわけです。

ニュー・カリフォルニアと呼ばれるそうしたワインの多くは、酸が効いていて、アルコール度数もあまり高くなく、じんわりとしたうま味を感じるワイン。テロワールの多様性のもと、「サードウェーブ」とも呼ばれる造り手の醸造技術や哲学も大きく影響しています。

この新たな潮流は、ワインジャーナリスト、ジョン・ボネの著書『The New California Wine』が大きく影響していると言われますが、それだけでなく クラフトマンシップ溢れる食文化原点回帰の志向がカリフォルニアの都市部やその郊外を中心に、多面的に広まっていたことに根ざしていると言えるでしょう。

ワインのみならず、ビール、チョコレート、パン、チーズ…と、多くの食文化の中でこの新たな潮流は共通して見受けられます。

また、こうしたニュー・カリフォルニアの礎にあり、ワイン好きの皆さんにも知っておいてほしいのが、地産地消やサステナブルな農業と流通、そして食育を40年以上も前から提唱し続けている料理家、アリス・ウォータースの存在です。

彼女がサンフランシスコ郊外のバークレーに開いたレストラン「シェ・パニース」はオーガニック食材による“シンプル・フード”のメッカとなり、アメリカのみならず、世界中の食文化に影響を与えてきました。ニュー・カリフォルニアのトレンドをより深く理解いただくために、そのエッセンスを集約したものを、参考までに紹介しておきます。

■アリス・ウォータースの9つの原則

Eat locally and sustainably.
地産地消、そして、持続可能な食に努めよう

Eat seasonally.
旬のものを食べよう

Shop at farmers’ market.
ファーマーズマーケットで買おう

Plant a garden.
庭に食べられるものを植えよう

Conserve compost and recycle.
堆肥を作って、リサイクルを心がけよう

Cook simply.
シンプルに料理しよう

Cook Together.
誰かと一緒に料理しよう

Eat together.
誰かと一緒に食べよう

Remember food is precious.
食物は尊いということを忘れないようにしよう

2020年ヴィンテージの特徴と最新トピックス

最新ヴィンテージの2020 年、新型コロナウイルスと山火事という 2つの難局に見舞われたカリフォルニアですが、州内各地のワイン生産者たちは、このヴィンテージの卓越した品質に胸を躍らせているとのこと。

涼しくて穏やかな生育期間の後に、ひとしきり続いた 8 月 の暑さで成熟が促進。収穫量自体は平均より低いと見られています。

サンフランシスコ湾の北側と南側で発生した2つの複合的な火災の影響については、ワイン産業全体でみれば、被害は軽度なものだったようで、カリフォルニア州にある 4,200 のワイナリーのうち、深刻な損害を被ったワイナリーは 20 に満たなかった模様。山火事に直面した地域では、ブドウ栽培家とワインメーカーが協力し、ブドウが煙にさらされる問題を見極め、軽減するよう努めているそうです。

編集部おすすめのワイナリー5軒&ワイン10本

基本から始まり、トレンドや最新のトピックスも理解したところで、「じゃあ、実際にどんなワインを買ったらいいの?」というワインビギナーの方もいるはず。そこで、5軒の造り手のストーリーとともに、個性的なものから王道のものに至るまで、WINE@MAGAZINE編集部で厳選したワイン10本をご紹介します。

クロニック・セラーズ(Chronic Cellars)

編集部内にもファンが多い、個性派「クロニック・セラーズ」から始めましょう!カリフォルニア・セントラルコーストの南部、パソ・ロブレスにあるこのワイナリーは、ジェイクとジョシュのベケット兄弟が経営。彼らはワインビジネスを10 年間学んだ後、生まれ育ったこの地でワインづくりをスタートしました。

“スカル(ドクロ)”などをモチーフとしたラベルは、一度見たら忘れられないインパクトがありますが、まずは“完成度の高い味わい”ありき。どんなワインかをイメージしてワインの名前を決め、その後兄弟の友人の木版画家が独創的なスケッチを描き、そのファンキーなデザインが生まれます。

テイスティングルームには、地元のサーファーやバイカーが集い、にぎやかで楽しい雰囲気なのだそう。現地で飲んだらさらにおいしい体験ができそうです。

協力・輸入元:株式会社TYクリエイション

2017 ピンク・ペダルズ
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
グルナッシュ
タイプ
ミディアムライト辛口 ロゼ
2016 スイート・プティ
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
プティ・シラー、シラー
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

ジョエル・ゴット(Joel Gott)

「え?マグロのハンバーガー!?」と驚きながらも、現地でそのおいしさにびっくりしたというWINE@MAGAZINE編集長の佐野。かの有名なワイン評論家ロバート・パーカーに至っては、その「アヒバーガー(マグロのバーガー)」を世界一のハンバーガーと絶賛したとか。

これは、ナパで大人気のカジュアルレストラン「Gott’s Roadside(旧名Taylor’s Refresher)」の話ですが、実はこの店をはじめ、カリフォルニアで数軒のレストランを展開するオーナーのジョエル・ゴットと敏腕ワインメーカーのサラ・ゴットが、夫婦でコストパフォーマンス抜群のワインを手掛けています。

単一畑や生産エリアにこだわる風潮がある中で、あえてエリアをまたぐ畑のブドウでワイン造り。レベルの高いブレンドと醸造の技術によって、満足度の高いワインが生まれています。

協力・輸入元:布袋ワインズ株式会社

ジョエル・ゴット / シャルドネ サンタ・バーバラ・カウンティ 2017
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・コースト / サンタ・バーバラ
品種
シャルドネ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル
ジョエル・ゴット / メルロー カリフォルニア 2017
産地
アメリカ / カリフォルニア州
品種
メルロー
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

クライン(CLINE)

ジンファンデルをはじめとした伝統的な品種のカリフォルニアワインを飲んでみたいという人に、まずおすすめしたいのが、セントラルコースト北部、コントラ・コスタの古樹の畑を守り続ける「クライン」のワインです。

オーナー夫妻のナンシー&フレッド・クラインは、フレッドの祖父のヴァレリアーノ・ジャクジー(“ジャクジー風呂”を発明した人!)が残した畑を守りながら、ナチュラル・ファーミングを積極的に取り入れ、100%太陽電池で運営される環境保全型ワイナリーを展開。

ノースコーストのエリアにあるソノマ・コーストとカーネロスにも畑があり、定番のカベルネやシャルドネも含め、ワイン造りはチャーリー・セガレトスが担っています。

協力・輸入元:布袋ワインズ株式会社

クライン / オールド・ヴァイン ジンファンデル ロダイ 2019
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・ヴァレー / ロダイ
品種
ジンファンデル
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル
2016 ムールヴェードル・エンシェント・ヴァインズ
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
ムールヴェードル
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

カレラ・ワイン・カンパニー(CALERA)

「カリフォルニアはよく分からないけど、ブルゴーニュのワインが好き」という方に一度飲んでほしいのが、「カレラ・ワイン・カンパニー」のワインです。

創業者のジョシュ・ジェンセンは、DRC(ロマネ・コンティのワイナリー)でセラー責任者だったアンドレ・ノブレの元で働き、ブドウにほとんど手をかけない自然なワイン造りに魅せられ、「アメリカで最高のピノ・ノワールを造る」という目標を掲げたという人物。

石灰質を豊富に含んだ理想の土壌を求め、セントラルコースト中部にあるマウントハーランで、ワイン造りを開始。今では“カリフォルニアのロマネ・コンティ”とも称されています。

協力・輸入元:株式会社JALUX

2015 カレラ・マウント・ハーラン・ヴィオニエ
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
ヴィオニエ
タイプ
フルボディ辛口 白
2010 カレラ・マウント・ハーラン・ミルズ・ピノ・ノワール
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

シャトー・モンテレーナ(Chateau Montelena)

ワイン通なら知っておきたい、1976年の「伝説のパリ・テイスティング」。フランスvsカリフォルニアのワインの、言わば“ガチンコ勝負”がブラインドテイスティングで行われたのですが、シャルドネ部門で優勝したのが、何とこの「シャトー・モンテレーナ」のワインでした。これによりワイナリーのみならず、ナパ全体の名を世界に広める転機となったとも言われています。

ナパ北部のカリストガに1800年代に建設された瀟洒な石造りの館、見事な庭園、灌漑設備のない古樹が連なる風景は、ワイン通の心を捉えて離さない魅力でいっぱい。

醸造家のボー・バレットは、カルトワインメーカーとして名を馳せるハイジ・バレットの夫でもあり、現在は彼が手がけたカベルネ・ソーヴィニヨンもまた、世界の愛好家から高い評価を受けています。

協力・輸入元:布袋ワインズ株式会社

シャトー・モンテレーナ / シャルドネ ナパ・ヴァレー 2017
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / ノース・コースト / ナパ
品種
シャルドネ
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル
2013 カベルネ・ソーヴィニヨン・エステート
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

「まずはグラスで気軽に楽しみたい!」という方は…

最後に「カリフォルニアワインをもっと気軽に色々と飲んでみたい!」という方に、耳寄りな情報を。「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション 2021 」なる企画が、本日4月1日(木)〜6月20日(日)の期間で実施されています。
※2021.4.30.更新:当初は5月31日(月)までの予定でしたが、4都府県に発出された緊急事態宣言における酒類提供飲食店への休業要請の影響から、期間延長されました。

また、抽選で合計100名様にワインが当たる「カリフォルニアワイン・インスタグラムキャンペーン」も実施中!

このプロモーションに参加している店舗では、複数のカリフォルニアワインをボトルだけでなくグラスで(by the glass)楽しめるというもので、多種多様なカリフォルニアワインの魅力を体験することができます。

WINE@の掲載店にもこのプロモーションに参加している店舗がありますので、ご紹介します。

代々木ビストリア
  • 住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-43-2 メトロビル 1F、B1F
  • TEL:03-6276-4311
代官山食堂 Q'z
  • 住所:〒150-0034 東京都渋谷区代官山11-12 日進ヒルズ代官山2F
  • TEL:03-5422-3654
Wolfgang's Steakhouse Marunouchi
  • 住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2丁目1-1 MYPLAZA 明治生命館B1F
  • TEL:03-5224-6151

カリフォルニアを旅するように、ワインを飲もう!

多様性に富んだカリフォルニアワインの世界。今回は“基本のキ”から、最新のトピックスやトレンド、そしておすすめ情報と、盛りだくさんでお伝えしました。

燦々と輝く太陽の恵みを受けて完熟したブドウから造られ、世界的にも高い評価を得ているカリフォルニアワイン。リッチな味わいのものからエレガントなものまで、そのスタイルは多様です。

気軽に旅するのはまだ難しい日々。ワインを通じて、あなたもカリフォルニアの豊かな恵みを感じ、味わってみませんか?

情報・画像協力:
California Wine Institute
カリフォルニアワイン協会

抽選で合計100名様にカリフォルニアワインが当たるインスタグラムの投稿キャンペーンも実施!「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション 2021」の参加店舗のリストなど詳細は、特設サイトに掲載されています。

 

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wine@MAGAZINE編集部
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