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産地ワシントンの魅力を探る ~初級編~

「あれ、ワシントンってアメリカの首都のこと?」
と思われた方、アメリカの首都“ワシントンD.C.”は、アメリカ東海岸寄り。
観光地でも人気の高いシアトルがあるのは、アメリカ西海岸の“ワシントン州(ちなみにワシントン州の州都がシアトルと思っている方も多いかもしれませんが「オリンピア」です)”なのでもろもろ、お間違いなく♪
今回は米国ではカリフォルニアに次ぐ、第二位の生産量を誇る産地「ワシントン州」の魅力を二回連載でお伝えしますね。
 
また、恵比寿のwine@EBISUでは6月~8月(終了日未定)まで3種類以上のワシントン州のワインが試飲できます。ぜひ、実際にワインを試飲して、その魅力を味わってください。
東京都渋谷区恵比寿南1-4-12 3F
試飲可能時間
平日 :16:00-21:00 ※金:-22:00
土  :12:00-22:00
日・祝:12:00-18:00
定休日/火曜日
 
 
 
 
 

新鮮な食材が簡単に入手できるシアトル

アメリカ西海岸の3大都市といえば、ロサンジェルス、サンフランシスコ、そしてシアトル(しつこいけれど、州都はオリンピア、ちなみにカリフォルニア州の州都はサクラメント)。
なかでもワシントン州はマイクロソフト社、スターバックス社をはじめ多くの大企業が本社を構え、洗練された街並みが印象的です。
もしもシアトルに旅するなら、スタジアムでシアトル・マリナーズの応援をして、スターバックス発祥の地にあやかり一号店でコーヒーを飲んで……あとは上質なレストランをハシゴしてみたい!
伝統的なアメリカ料理から日本料理、創作料理まで、シアトルにはユニークなレストランが目白押しなのです。
なにしろ近隣で採れた野菜や海の幸が豊富に揃う土地柄なので、どの店も舌の肥えたシアトルの住民たちを満足させられるクオリティです。
そして料理に合わせるのはもちろん、地元で造られたワシントンワインが定番ですよ。

 

ワイン産地としては最高な環境

ワシントン州のお隣は、もうカナダ。
「アメリカでも、かなり北のほうだな」とお分かりの通り、カナダの首都・バンクーバーにもシアトルから日帰り旅行できてしまう距離です。
ワシントン州は、フランスとほぼ同じ北緯46度に近い位置にありますが、気候はフランスのどの銘醸地とも大きく違います。
北ならきっと涼しいはずとの予想に反し、夏になるとフランスのボルドーより、さらにはカリフォルニアのナパよりも暑くなるんですよ。
というのも、太平洋沿いのシアトルはとても過ごしやすいエリアである反面、ワシントン州のワイン産地は太平洋からカスケード山脈を越えた内陸部に広がっています。
海からの湿気を含む風は高い山々に遮られ、「夏は暑く、冬は寒い」「昼は暑くても、夜になるとぐんと気温が下がる」という、人にはちょっとツライ気象条件に。
でも、この過酷な環境こそ、おいしいワインを造りたい人にとっては喜ばしい条件。
糖度と酸度どちらも豊かなブドウが収穫できる結果、凝縮感のある味わいのワシントンワインが生まれるのですから。
冬の厳寒期に発生する霜の害を防ぐため、ブドウ畑のあちこちで風車が稼働しているのもワシントンらしい風景。
 

 

ワシントンワインは高いの?安いの?

アメリカのワイン産地といえばカリフォルニア州が有名ですが、ワシントン州も負けてはいません。生産量はカリフォルニア州に次ぐ第2位をキープ、ブドウ品種はカベルネ・ソーヴィニヨンやリースリング、シャルドネをはじめとするメジャーなものがほぼ揃います。
そして気になるのは、やはりお値段。
平均的な価格はわりと控えめなのが、ワシントンワインの大きな魅力でもあるんです。
たとえば、ワインの味わいを評価する「ワインスペクテイター」で100点満点中90点以上を獲得した各国ワインの値段を10年分遡って集計したところ、フランスの平均価格は97ドル、イタリアの場合は70ドル、対してワシントン産はたった48ドルだったとか。
つまり「ワシントンワインなら、最高級に認定されたワインも他国の半額で飲めてしまうかもしれない」ってことになりますね。

ワイン産業が盛んなワシントン州のこと、ワイナリー巡りもまた魅力的。テイスティングルームやショップコーナーで、訪問客は思い思いの時間を過ごします。
同じワシントン州で造られるコスパのいいワインを手に入れ、いつも多国籍な料理とともに楽しんでいるシアトルっ子たち。
日本の私たちも、ちょっとおいしいサーモンの刺身を手に入れたとき、新鮮な野菜をたっぷり使って豪華なサラダを作ったとき、ワシントンワインを用意してみましょう。
グルメでコスパ重視なシアトルっ子にあやかり、きっとスマートな食卓を楽しめるはずです!
次回は中級編として、さらにワインの魅力をお伝えします。

カリフォルニアワインの魅力、大発見 Vol.2

1995年よりスタートした「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション」も今年で27回目を迎えました。カリフォルニアワインの多様性を知るにはバイザグラスで様々の品種を味わうのが一番。5月末まで開催されている「バイザグラス・プロモーション」の開催店舗は首都圏中心に全国で展開されています。カリフォルニアワインとお料理のマリアージュもぜひお店でご堪能ください。
 
 
 

 

2022年は産地ローダイを堪能しよう!

街を走るパトカーのドアにはブドウのマークがあしらわれ、いくつかの高校では「生徒のためのブドウ畑」を用意―――ワイン造りとともに発展したカリフォルニアのローダイは、地元民のワイン愛があふれているエリアです。 そんなローダイで産まれたワインを近年、日本の飲食店やワインショップでもチラホラ見かけるようになりました。 なぜ、今、ローダイなのか? ヒミツを紐解いていきましょう。

近年大注目の産地ローダイ

 
ちょっとしたワイン通なら、カリフォルニアのワイン産地としてナパやソノマはよく知っているはず。
なら、ローダイはどうでしょうか。
ナパとソノマにほど近く、サンフランシスコ湾からそのまま内陸方向へスライドしたところに位置するローダイ。
内陸へ入れば入るほど砂漠化するアメリカですが、カリフォルニア湾から川を遡って涼しい海風が吹き込むローダイは、ブドウの生育にはもってこいの環境です。
 
 

ローダイ人気が高まる理由2つ

ナパやソノマの次にローダイがブームになりつつあるのは、ローダイが長年培ってきたユニークさに多くの人たちが気づき始めたから。
ユニークな理由のひとつは、品種の多様性です。
イタリア系移民はイタリア系品種を、ドイツ系移民はドイツ系品種を……とアイデンティティを大切にしつつブドウを植えていった経緯があり、いまでは100種以上のブドウ品種が栽培されています。
シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなど有名品種が圧倒的な栽培面積を占めるカリフォルニアにおいて、この“品種図鑑っぷり”は珍しいことなのです。
 
 

さらにもうひとつの理由が、ご長寿なブドウ樹の存在

ときに100歳越えというとてつもない高齢のブドウ樹が、そこかしこに残ります。
1920年から続いた禁酒法時代にあっても先祖代々のブドウ畑を大切に守り抜いた人たち。
20世紀初頭に全世界で猛威をふるったフィロキセラの被害を受けにくかった土壌。
そういった条件に恵まれたローダイの畑に立ち、古樹ならではのゴツゴツとした太い幹を間近で眺めれば、長年の風雨に耐え根を張り続けてきた歴史が伝わってきます。
古い樹になると、若い樹と比べてブドウの収穫数は少なくなるものの、その実を使ったワインは「味わい深い」「オトナの味がする」と高く評価されています。
もし、ローダイ産で「OLD VINE」とラベルに記載されたワインボトルを見つけたら、それは古樹から収穫されたブドウを使ったもの。
いちどは飲んでおくべき価値アリ、です!
たとえば、アメリカの代表品種あるジンファンデルも、ローダイの古樹から収穫されたブドウを使えば、パワフルさと同時に落ち着いた表情も見せてくれるワインとなるんです。
ボリューミーな味わいのジンファンデルは、ジューシーな肉をはさんだハンバーガーが定番のペアリング。
ちょっと変わったところでは、花椒を効かせた麻婆豆腐なんてのもピッタリです。
心地よいジンファンデルの果実味が、花椒でしびれた舌をやさしく包んでくれますよ。
 

 

誰よりも早い環境問題への取り組み

 
ローダイは、世界でもいち早くサステイナビリティに意識を向けたエリアです。
「限りある水資源を大切にする」「周辺に住む動物たちやブドウ畑で働く人たちの健康を考える」「近隣住民と連携」「胸を張って子や孫の代へ残せるブドウ畑を」……といったサステイナビリティの考え方は、近年ようやく世界各地で共有されてきましたが、ローダイの生産者たちが最初に取り組んだのは、なんと1990年代初め。
ローダイの生産者たちが一丸となって勉強会を開き、環境問題研究家も巻き込みつつ皆で共有していた思想が、2005年には公的に「ローダイ・ルール」として確立し、サステイナビリティを目指すほかの産地にとってのお手本となりました。
そして現在、カリフォルニア全体を通して見ると、全ワイナリーの8割が何らかのサステイナブル認証を受け、環境にやさしいワイン造りを実践しています。

18世紀からワイン造りがスタートして以来200年以上の歴史があるカリフォルニアは、伝統国としての風格と、新しいスタイルのワインを次々と産み出す創造性を兼ね備えています。
古樹をいたわり守り続けながら、サステイナビリティの実現へ向かって果敢にアクションを起こしたローダイこそ、まさに「カリフォルニアのなかのカリフォルニア」なのですね。

 
 


ローダイワインをバイザグラスで楽しめるお店探しはコチラ

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カリフォルニアワインをバイザグラスで!
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カリフォルニアワインをもっと知りたくなったら
カリフォルニアワイン協会
https://calwines.jp/