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【シャンパーニュデイ特集】シャンパンのツウになろう!魅惑のロゼ編

2021.10.18

photo:Fabrice LESEIGNEUR – Collection CIVC

ワインの中でも一際華やかな雰囲気を持つシャンパン。お祝いの席にもふさわしいその特別感は、他のスパークリングワインとは一線を画すものがあります。世界中にシャンパンを愛してやまないワイン愛好家がいますが「年に1回みんなで同じ日に楽しもうよ!」というシャンパーニュデイをご存じでしょうか。

WINE@マガジンでは「シャンパーニュデイ」を記念して、2回にわたって今さら聞けないシャンパンの基本をご紹介しつつ、WINE@厳選のシャンパンも紹介するという企画をお届けします。

第1弾となる今回は、シャンパーニュデイとは何かをまずご説明しつつ、シャンパンの基本やブドウ品種の話、そして「魅惑のロゼ」をテーマにシャンパンの魅力をご紹介します。

シャンパンのツウになろう!憧れの名門シャンパン編 はこちら

【シャンパーニュデイ】とは?

「#シャンパーニュデイ #ChampagneDay」は、アメリカ・カリフォルニア在住のブロガーでワインセミナー講師をしているクリス・オゲンフュスの発案によるものです。世界中で年々参加者が増加し、シャンパーニュデイはシャンパン愛好者のための世界共通イベントとなりました。

シャンパーニュデイは毎年10月の第4金曜日。2021年は10月22日がその日に当たります。

【シャンパン基本のキ】気候風土や歴史が育む唯一無二の価値

photo:Fulvio ROITER – Collection CIVC

シャンパンとは、ブドウの収穫から生産、醸造まで、すべてをフランス・シャンパーニュ地方の特定地域で行ったもののことです。シャンパーニュ地方は、パリから140kmほど東に向かった場所にあり、フランスのワイン産地としては北限に位置しています。


photo:Benoit FRANCE – Collection CIVC

海洋性気候の特徴も混じり合っているものの、大陸性気候のエリアで、冷涼で厳しい気候条件がブドウにキレのある酸をもたらし、地下の冷たく湿った石灰質のカーヴが長期熟成を可能にしています。昨今は地球温暖化の影響なども出始めていますが、これらのテロワールの一つひとつがシャンパンに独自性を与えていると言えるでしょう。

参考:【ロシア産がシャンパン!?】シャンパーニュ委員会、ロシアの新法律に対し厳重抗議

歴史を少し振り返ると、古代ローマ人によりシャンパーニュ地方にブドウ栽培がもたらされたのは4世紀頃。その後、中世に修道士によってブドウ畑が広げられ、ワインも造られますが、当時のワインは泡のないスティルワインでした。

諸説ありますが、発泡性のあるシャンパンは意外にもイギリスで偶発的に誕生したと考えられています。寒さのために酵母が途中で活動を止め、発酵が中断した状態のワインが樽詰めされてイギリスに渡り、瓶詰め。春が来て暖かくなると酵母が活動を再開し、再発酵によって生じた炭酸ガスがそのまま中に封じ込められたというのが定説です。

要するに、現在メトード・リュラル(田舎方式)やメトード・アンセストラル(古代方式)と呼ばれる製法に近いものがその始まり。ただし、品質と味わいを安定させるのは難しいものがあり、瓶内二次発酵を行うメトード・トラディッショネル(伝統方式)が確立され、発泡性のシャンパンが商業化されるのは、1729年に最初のメゾン「ルイナール」がランスに創設されて以降のことと言われています。

瓶内二次発酵を行うメトード・トラディッショネル(伝統方式)について詳しく知りたい方は、何が違うの!?~シャンパン、クレマン、カバ、フランチャコルタ を参照してください。

メトード・リュラル(田舎方式)やメトード・アンセストラル(古代方式)について、詳しく知りたい方は、自然派の微発泡【ペットナット】他のスパークリングワインとどう違う? を参照してください。

【シャンパンのブドウ品種】は決まっている?

photo:Alain CORNU – Collection CIVC

シャンパンの醸造に用いられるブドウ品種には規定があり、この地方の独特の地形、土壌と気候の影響を受け、他にはない個性的な味わいが生まれます。  

主な品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの3種です。

シャルドネ

photo:Jean-Charles GUTNER – Collection CIVC

世界で最も有名な白ブドウと言えるシャルドネですが、主要3品種の中では栽培面積が一番小さく、シャンパーニュ地方全体の28%程度。シャンパンに繊細さと新鮮味を与え、長期熟成を可能にするとされ、白ブドウのみで造られるシャンパン“ブラン・ド・ブラン”では主役を張る、重要な品種です。

ピノ・ノワール

主要3品種の中では栽培面積が最も大きく、シャンパーニュ地方全体の約39%を占めます。果皮が薄い品種ですが、シャンパンの味わいにボディと骨格をもたらす、まさにシャンパンのブドウの代表選手です。

ムニエ

photo:Jean-Charles GUTNER – Collection CIVC

栽培面積の占有率は33%程度。シャンパンにフルーティさとしなやかさを与えるとされています。以前は「ピノ・ムニエ」とされていましたが、DNA鑑定が行われてピノ系のブドウではないことが判明。現在も別名として「ピノ・ムニエ」という呼び名は残っています。

他には、アルバンヌ(Arbanne)、プティ・メリエ(Petit Meslier)、ピノ・ブラン、ピノ・グリといった白ブドウも認められていますが、その栽培面積はすべて合わせても全体の1%未満となっています。

【シャンパンのロゼ色】はどこから来る?

シャンパンのイメージをさらに華やかにしてくれるのが、魅惑的なロゼ。その色調や濃淡には幅がありますが、世界各地のロゼと比べると、淡いピンク色が多いのも特徴と言えるでしょう。

この上品で魅惑的なロゼの色は、黒ブドウの果皮に由来するものですが、製法としては3つのものがあります。

1. 黒ブドウを直接圧搾する方法

2. 黒ブドウの果皮を一定時間果汁に漬け込む(マセラシオン)、または発酵・醸しの途中で一部の液体を抜き取り、別のタンクで再度発酵させる(セニエ)方法

3. 白ワインに適量の赤ワインを混ぜる方法(アッサンブラージュ/ブレンド)

ここで、ワイン初心者のために追加のレクチャーを。

黒ブドウから造られた白のシャンパーニュもありますが、黒ブドウだけを使っているのに、ロゼではなく、白のシャンパンが出来あがるのはなぜでしょうか。

プラン・ド・ノワール(黒から生まれた白)」と呼ばれるものなのですが、ピノ・ノワールやムニエの色素は果皮にあるため、初めに丁寧に圧搾して果皮と果汁を分離すれば、赤く色づくことはなく、白いシャンパンができるというわけです。


photo:Alain CORNU – Collection CIVC

プラン・ド・ノワールには、ムニエ100%のものやムニエとピノ・ノワールのダブル使いのものもありますが、ピノ・ノワール100%のものが多く造られています。

ちなみに「プラン・ド・ブラン(白から生まれた白)」と呼ばれるシャンパンは、シャルドネ100%のものがほとんど。アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリが使われたものはごく稀です。

WINE@のプロが厳選!おすすめのロゼ・シャンパン3本

生産量で言えば、シャンパン全体の10%程度と言われるロゼのシャンパン。手間暇がかかるシャンパンの中でも希少性が高いこともあり、価格も高めになってしまいますが、その価格に十分見合う、真の意味で“カリテ・プリ”な3本を、WINE@のワインのプロが厳選してご紹介します。

日曜午後4時のロゼ・シャンパン!

まず目を引くのは、素敵なエッチングボトル!プレゼントにもらったり、記念日に開けてもらえたら「胸キュン」(死語?)です。色合いも美しく、サクランボを思わせるような風味を感じる辛口のロゼシャンパンで、これは無敵な勝負の1本としてもおすすめできます。

ちなみに生産者は「このロゼは、日曜日の午後4時くらいにアペリティフとして楽しんでいただけるものを目指しています」と話していて、そんな日曜日にも憧れます。夕方の光を浴びながら、食事前のひと時をこのボトルとともに楽しんでみませんか。(WINE@ソムリエ:林やよい

NV ブリュット・プルミエ・クリュ・ロゼ/マチュー・プランセ
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
シャルドネ、ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(ロゼ)

テラコッタ熟成による凛とした個性派ロゼ

テラコッタ(陶器)製の樽を使って熟成させた個性派のロゼ・シャンパン。ラベルのデザインは、先史時代メソポタミアで作られていたテラコッタ製の女神像をイメージしたものなのだとか。

アプリコットなどの果実香に、アーモンドや紅茶のニュアンスが重なって感じられるのは、テラコッタ熟成の為せる業なのかもしれません。ピンクゴールドの色合いも魅力的で、視覚的にも味覚的にも引き込まれていくものがあります。

特級畑のピノ・ノワール主体で、シャルドネもブレンド。ロゼのシャンパンですが、派手さではなく、凛とした女性のイメージがある1本です。(WINE@マガジン編集長:佐野嘉彦)

NV ロゼ・ダム・ジャンヌ/アンリ・ジロー
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムフル辛口 スパークリング(ロゼ)

英国紳士のダンディズムを身に纏うロゼ

元イギリス首相のチャーチルが愛飲し、2004年には英国王室御用達となったことで名高いメゾンのロゼ。品格と大人の余裕、色気…ブラックタイで正装して味わいたいくらいのダンディズムを感じます。

いつかはこのシャンパーニュの風格にふさわしい自分になりたい。歳を重ねるごとに、近づけているのだろうか、など自問自答しつつ、人生の節目のタイミングに味わうのもよし。

「ロゼ=甘いのでは?」と考えている方には特に試していただきたい。とにかく、カッコイイ!名門のロゼ・シャンパンです。(WINE@ソムリエ:太田賢一

2009 ロゼ・ヴィンテージ/ポル・ロジェ
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(ロゼ)

「グラス交わせばもっとおいしいシャンパーニュ! 」

10月第4金曜の「シャンパーニュデイ」を記念してお届けする【シャンパーニュデイ特集】の第1弾は、シャンパンの基本のキから始まり、ロゼの魅力に迫りました。

次回の【シャンパーニュデイ特集】は「シャンパンのツウになろう!憧れの名門シャンパン編」をお届けします。

「ワイン好きなら飲んでおくべき有名なシャンパンを知りたい」「シャンパン好きの人と盛り上がりたい」…そんな方は特に注目!また、シャンパンに重要な甘辛度やシャンパン用語も解説。厳選した名門シャンパンも紹介しますので、どうぞお楽しみに!

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CHAMPAGNE DAY 2021公式Webサイト
シャンパーニュ産スパークリングワインだけがシャンパーニュ

毎日の生活のちょっとしたイベントを祝うきっかけにもなるシャンパーニュデイ。10月22日の当日はシャンパンを楽しんで、SNSでその写真やビデオをシェアするだけで、あなたも「シャンパーニュデイ」に参加できます。投稿にはハッシュタグ #ChampagneDay をお忘れなく!

■詳しくは こちら

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