スパークリングワインは、シュワシュワっとした泡が命。ボトルキーパーで栓をしていても少しずつ炭酸が抜けていってしまうのは致し方ありません。
■ワインの保存や活用法については、ボトル1本飲みきれない!残ったワインの保存と活用 を参照
そこで、今回は“発想の転換”!
お手軽なワインと炭酸飲料をミックスして、スパークリングワインのようなワインカクテルにして楽しもう!という企画です。
「1:1の割合で割って氷を入れるだけ」で、すぐに冷たいシュワシュワを楽しめる手軽さ。ワイン通の編集部のメンバーが実際に味わって、選び抜いたおすすめの5種をご紹介します。
この記事の目次
アロマティックな白×極辛ジンジャーエール
白ワイン×ジンジャーエールの組み合わせに少しレモンジュースを足すと、一般的には「オペレーター」と呼ばれるカクテルになります。その名の由来は諸説あるようなのですが、航空機の操縦士(オペレーター)が好んで飲んでいたからという説があります。
この「オペレーター」を、ワイン通が集う編集部で徹底検証。
ヴィオニエ種などのトロピカルな香りと果実味がしっかりある白ワインに、ピリピリと舌を刺激する極辛口のジンジャーエールを組み合わせると、抜群においしい!レモンジュースを足さずに、ちょっと厚めに切ったレモンスライスを仕上げに入れるだけでも良さそうです。
ちなみに、赤ワインを使うと「キティ(子猫)」というカクテルになります。可愛らしい名前ですが、こちらは意外とトンテキやタレの焼鳥などの濃い味の肉料理と相性が良いカクテルです。
コク豊かでボディのある白×甘いソーダ水
白ワインをジンジャーエールではなく、トニックウォーターで割ると「スプリッツァー」、ビールで割ると「ビアスプリッツァー」と呼ばれるカクテルになります。オーストリアのザルツブルク発祥のようで、語源は「はじける、飛び散る」という意味があるドイツ語の「シュプリッツェン(Spritzen)」だとか。
編集部では独自性とおいしさを追究し、トニックウォーターを甘味があるソーダ水(サイダー)にチェンジ!コクとボディのある辛口の白ワインを使って、これも1:1の割合で割って氷を入れるだけです。
ベストマッチのワインは、ソーヴィニョン・ブラン主体の少しだけ樽香が効いたボルドーの白。清涼感を求めるなら、同じソーヴィニョン・ブランでもニュージーランドのものがおすすめです。
色はちょっと濃いめのドライなロゼ×炭酸オレンジ
お次は、ロゼワインで探究。ワインカクテルには、ピンクグレープフルーツのジュースで割った「ロゼ・パンプルムース」というものがあるそうなので、それにヒントを得て考案してみました。
まずワインは、イタリアやスペインのリーズナブルな辛口ロゼを。セニエ法で造られたロゼは色が濃いめで、フランス・ローヌの「タヴェル・ロゼ」などでももちろんOKですが、“割りもの”はなるべくお手頃なワインで楽しみたいものです。
■セニエ法について知りたい方は、ワインの造り方から見る、色合いと味わい~ロゼワイン・オレンジワイン編 を参照
同量で割るのは、柑橘の炭酸飲料。グレープフルーツではなく、手に入りやすい炭酸オレンジで試したところ相性抜群でした。
ちょっと濃いめのロゼ、そしてオレンジも“地中海エリア特産”ということで、仕上げとして、同郷でよく使われるハーブ、ローズマリーをプラス。香りがグッと豊かになり、“大人リゾート”の気分を演出してくれました。
渋みもあるパワフル赤×スタンダードなコーラ
日本でもじわじわと人気が高まっているのが「カリモーチョ」。赤ワイン×コーラの超簡単ミックスカクテルです。
発祥は諸説あり。スペインの植民地だったメキシコで生まれ、スペイン・バスク地方で人気に火がつき、世界へと広まっていったというのが通説。
名前の由来は、考案した二人のウエイターの名前をミックスしたという説があり、ラム酒をコーラで割って作る「クーバ(キューバ)・リブレ」になぞらえて、“貧乏人のクーバ・リブレ”と呼ばれたりもするのだとか。
「ちょっと余っちゃったな」という赤ワインでOKですが、コーラとの相性からすると、渋みも果実味もしっかりした赤がおすすめ。今回はカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンを使ってみましたが、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンあたりは、コンビニやスーパーでも買えるお手頃ワインなので、ちょうどいいと思います。
最後に、レモンかライムをきゅっと一搾り!フレッシュミントも添えれば完璧です。この“ラテンのシュワシュワ”は、なんだかクセになる味です。
ブドウジュース特有の風味がある赤×乳酸菌ソーダ飲料
「初恋の味」というキャッチフレーズが生まれたのは、なんと100年前。日本ではおなじみの乳酸菌飲料「カルピス」に、その半量くらいの赤ワインを混ぜた「ロマンチックハーモニー」というカクテルがあるというので、編集部では「炭酸入りの“カルピスソーダ”で作ったらどうなるか?」をテーマに、相性の良い赤ワインを探究してみました。
味わいとしてイメージしたのは、オーバー40にはちょっと懐かしい「グレープ カルピス」。巨峰、コンコード、マスカット・ベーリーAなど、食用でもあるブドウ原料の赤ワインが、カルピスソーダにピッタリきました。
こうした食用ブドウは、アメリカ系ブドウ品種(ヴィティス・ラブルスカ系の交配品種)で、フォクシー・フレーバーと呼ばれる、ブドウジュースの甘い独特の風味があるのですが、そのニュアンスが絶妙に“グレープカルピス感”を生み出すようです。
また、もとにした「ロマンチックハーモニー」というカクテルでは、カベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインを使うことが多いようなので、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンで試してみるのも良いかもしれません。
気が抜けたスパークリングも、フルーツや炭酸飲料を使ったサングリアに
最後に、抜栓して泡がなくなってしまったスパークリングワインのアレンジ術の話も。
フルーツやスパイスを足しつつ、炭酸飲料を活用した「サングリア」にして、おいしくワインを飲み切るというのも知っておいていただきたいアレンジ術です。
サングリアのレシピについては、カンタン&癒される“休日サングリア”!飲み残しワインのおいしいアレンジ術 をぜひチェックしてみてください。
今回ご紹介した編集部おすすめの5種も参考にしていただき、無駄なく、おいしく、簡単にシュワシュワしたワインカクテルを家飲みで楽しみましょう!