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カリフォルニアワインの魅力、大発見 Vol.3

1995年よりスタートした「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション」も今年で28回目を迎えました。カリフォルニアワインの多様性を知るにはバイザグラスで様々の品種を味わうのが一番。5月末まで開催されている「バイザグラス・プロモーション」の開催店舗は首都圏中心に全国で展開されています。カリフォルニアワインとお料理のマリアージュもぜひお店でご堪能ください。
 
 
 
 
 

旬なバイザグラスで〝飲み活″! とっておきの店3軒へ

未訪問のレストランやバーって、「店内の雰囲気は?」「料理は実際、どんな感じ?」と気になりますよね。
なら、カリフォルニアワインのバイザグラス・キャンペーンをきっかけに入店してみませんか?
グラスワインが充実している今なら、1杯だけのためにフラッと立ち寄れるし、数軒ハシゴだってできちゃいます。
キャンペーン参加店はどこも、感度の良い人たちが集まるカリフォルニアさながら。
肩ひじ張らず、センスの良さを堪能できる飲食店ばかりです。
wine@編集部オススメの3軒をチェックすれば、ご無沙汰気味だった〝飲み活″をアナタも再開したくなるはず、です!
 
 
 
 

大人数グループOKなグリル・ダイニング
「用賀倶楽部」

ゆったりとした住宅が連なる街中に、ふと現れる異国の空間。
カリフォルニアの1区画をそのまま運んできたかのような「用賀倶楽部」、ココはステーキ好きの聖地なのです。
アメリカンビーフと和牛のどちらもジューシーに焼き上げられ、ランチ時になるとボリュームたっぷりなステーキを求めて外国人客の姿もちらほら。
週末には、昼からテラスでゆるゆるとワインを飲むご近所さんや、大テーブルでステーキをシェアしながら各自好みのグラスワインを選ぶ大家族グループで賑わいます。

カリフォルニアスタイルの店だけに、約80種のワインストックは当然カリフォルニアワインが中心。
バイザグラス・キャンペーン中は、カリフォルニアワインだけで常時6種類ほど用意され、銘柄は日によって変化します。
なかでも、ステーキに合うジンファンデルやカベルネ・ソーヴィニヨンは大人気だとか。

「ご自宅でも西海岸さながらのステーキとワインを楽しめるよう、最近は料理のテイクアウトのほか、店の一画でワインショップもスタートさせました」

と語るのは、マネージャーの藤枝健司さん。

「お店ではバイザグラスで味を試していただいた上で、帰り際にお好みのワインボトルをお土産になさっては。カリフォルニアワインのいいところは、品種名が明記してあり味わいが分かりやすいこと。また、ラベルが楽しいものも多いですよね」
 
 
日替わりのバイザグラスは80mlと120mlが選べ、1杯800円~2,000円。赤ワインが多めだが、樽香の効いた白「ブレッド&バター シャルドネ」も塩コショウ風味の肉にはピッタリ。
 
脂身と赤身のバランスが絶妙な、L-BONE サーロインステーキ(450g/ 8,800円)。ミディアムレアの焼き加減へ、店オリジナルの和風玉ねぎソースを絡ませて。
 
SHOP DATA
用賀倶楽部
東京都世田谷区玉川台2-17-16 世田谷マイスターハウス 1F
03-3708-8301
11:00~15:30(14:30 L.O)、17:00~22:00(21:00L.O)
無休
 
 

女性ひとり客もリラックスできる隠れ家
「Bar Brown TOKYO」(バーブラウントーキョー)

 

3.8mの天井高ならではの開放感、ブラウン系でまとめられたインテリアと随所に設置された本棚が醸し出すリビング的ニュアンス。
そこへ、

「えっ、タコ焼?」

と意外なオツマミが登場するから、この店は侮れません。

今年で9年目を迎えた「バー・ブラウン」は、仕事帰りにフラッと立ち寄りクールダウンできるスポットです。
もちろん通常のバーのようにウイスキーやビールも楽しめますが、店奥のワインセラーで出番を待つワインはなんと約300本以上。
頻繁に渡米するオーナー、鎌田雅彦さん自身がワイン愛好家であることから、カリフォルニアワインも舌の肥えた客たちを満足させるラインナップなのです。
バイザグラスで提供されるワインは、赤白それぞれ2種類、スパークリング1種が基本。
ワイン単体でも飲み疲れしないよう、パワフル過ぎないカジュアルなタイプが並んでいます。

虚を突かれるオツマミはタコ焼のほか、山形出身の鎌田さんにちなんだ山形名物の蕎麦なんて1品も。
「オーセンティックなスペースで、ちょっとした抜け感のある食をオーダーできる」というワクワク感に惹かれ、ひとりでブラリと来店する女性客も少なくありません。
バーと聞くと緊張してためらってしまう人は、まずこの店からスタートしては。
バイザグラスを目当てに、足を運んでみてくださいね。
長年注目してきたのが、ローダイ産の「オークリッジ・ワイナリー オールド・ソウル」。白のシャルドネは高級ワインに匹敵する品質、赤のピノ・ノワールは少量ブレンドしたジンファンデルがアクセントに。
 
なめらかな舌触りのタコ焼き(10個1,000円、20個1,800円)は、本場・岸和田仕込みのお店で腕を磨いた落合店長が30分近くかけてジックリ焼き上げる。入店してすぐ食べたい常連客は、予約電話時にオーダーしておくのだとか。
 
SHOP DATA
東京都渋谷区恵比寿南2-25-3 EBISU HANA BLDG B1
03-6303-0301
18:00~
日休
チャージ500円
 
 

仲良しな2人で行きたい古民家イタリアン「Archan」(アーチャン)

木目と漆黒の天然素材を基調とした古民家に入ると、外の喧騒から一気に静寂の世界へ。
上質なイタリア料理に舌鼓を打つ優雅な時間を過ごせるのが、恵比寿「Archan」です。
料理はその日に仕入れた新鮮な食材をベースに構成。
ライトアップされた庭の樹々だけでなく、皿からも季節感が伝わる料理構成が心肉い・・・あっ、いや、心憎い!
ついウッカリ「肉い」としてしまったのは、肉を知り尽くしたシェフ・鈴木敦さんによる調理のすばらしさゆえ。
さらに、鈴木シェフはソムリエ資格も取得しているため、料理とワインのペアリングに絶対の信頼感を寄せられる店なのです。

バイザグラス・キャンペーンに向けて、ワインはブドウ品種の多様性をテーマにセレクト。
太陽に恵まれたカリフォルニアらしさをストレートにイメージできる、果実味やブドウの力強さを感じられるアイテムを中心としています。
だから、旨味が口中に長く残る滋味深い肉料理とは合わせやすいものばかりなのですね。

1階にはカウンター席(目の前で仕上げられる料理の香りだけでカリフォルニアワインが進んでしまいそう?!)、2階には4名まで利用できる個室が2つ備わり、親しい人との時間を過ごすにはうってつけ。
昨年3月にオープン以来、デートや少人数接待の予約がひっきりなしというのも頷けます。
「日本的な古民家でイタリア料理&カリフォルニアワイン」と3か国のカルチャーが違和感なく溶け込んだ美味な夜、いちどぜひ体感してみて!
 
バイザグラスは白とロゼで2~3種、赤2種。シャルドネ、アルバリーニョ、ピノ・ノワール、シラー、ジンファンデルなどなど多彩な品種のなかから日替わりで提供。1杯950円~1,300円。

黒毛和牛のフィレ3,800円、お肉たっぷりのミートソース1,400円。おすすめはパスタとメインの肉料理に冷菜、前菜、デザート、カフェ、パンがセットになったお得なコース(一人5,500円 ※メインが黒毛和牛フィレの場合+1,000円)

SHOP DATA
東京都渋谷区恵比寿4丁目24-3
17:00~23:00
日休
 
 
 
カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション特設サイト
 
カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション参加店リスト
 
カリフォルニアワイン協会

カリフォルニアワインの魅力、大発見vol.01

1995年よりスタートした「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション」も今年で27回目を迎えました。カリフォルニアワインの多様性を知るにはバイザグラスで様々の品種を味わうのが一番。5月末まで開催されている「バイザグラス・プロモーション」の開催店舗は首都圏中心に全国で展開されています。カリフォルニアワインとお料理のマリアージュもぜひお店でご堪能ください。
 
 
 

 

タレント・田原可南子のワイン探し

食べることも飲むことも大好きなタレント・田原可南子さんが、恵比寿で話題のワインスポットを軽やかにホッピング。体験型ワインショップ「wine@EBISU」、こだわりの焼鳥店「喜鈴(きりん)」の2軒で見つけた、至極のワインとは?

 

 

田原可南子 Kanako Tahara
TVの情報バラエティ番組からラジオでのしっとりトークまで、幅広くこなすマル
チタレント。ワイン、食、旅、ファッションなどに好奇心のアンテナを張り巡らす。
プライベートでは、愛犬と過ごす時間がなによりの癒しに。
 
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  • ワイングラス片手に旅気分


旅先でワインを楽しむのが何よりの気分転換でしたが、ここ数年は旅行を控えて仕事にまい進する日々を送っています。
 
可南子さん「食事もワインもおいしい国に旅したいです。トラディショナル系もいいけれど、新しいセンスの料理を存分に楽しみたい私が再訪したくなっているのは、やっぱりアメリカ西海岸のカリフォルニア」

 
4年前にはドライブでカリフォルニアを縦断し、ローカル色の強いハンバーガーからスタイリッシュな創作料理まで食べつくした経験がありました。
 
もちろん、食のお供はいつでもカリフォルニア産のワインだったとか。

可南子「当時の私は白ワイン派だったので、現地で飲んだのは白ばかり。どれも、とても飲みやすかった記憶があります」

 
カリフォルニアは、「フルーツ、野菜、ナッツがふんだんに収穫できる恵まれたエリア」。
これだけと聞くと、常夏で温暖な気候を想像してしまいますよね。
 
可南子さんが旅行したときも、海沿いで穏やかな気候を満喫していたそう。
でも、カリフォルニアには実際は雪の積もる高山あり、乾いた砂漠あり、太平洋から霧が運ばれる川沿いの谷あり、と大地の顔はさまざま。
 
可南子さん「雪が降るほど寒いエリアがカリフォルニアにあるんですか! ぜんぜん知りませんでした」
 
だからブドウひとつとっても、栽培される畑の場所によってキャラクターが大きく異なってくるのがカリフォルニアの面白いところなのです。
となると、カリフォルニアのブドウを使ったワインって一体どんな味わいに仕上がるのでしょう?
なにしろワイン造りを担うのは、開拓者精神を継承し、自由なライフスタイルを謳歌するカリフォルニアっ子。
 
多彩なブドウをベースに、多彩な人たちがそれぞれワインを産み出すのだから……完成するワインの味わいは、まさにミラクル級のバリエーションです!
「あれ、カリフォルニアワインって、そんなにいろいろなタイプが揃ってましたっけ?」
なんて興味深々になってきた可南子さん。
 
普段は産地にこだわらずワインをチョイスしてきたものの、あらためてカリフォルニア産のワインと向き合いたくなったのだとか。
 
 

 

wine@EBISU」でレアなカリフォルニアワインを飲み比べ

 
そこで、可南子さんが足を運んだのは、「wine@EBISU」。
恵比寿で散歩していて、以前から気になっていたショップなのだとか。
 
入店し、ワインセラーを横目にすぐさま有料試飲スペースへ。
 
 

可南子さんはすでにスマートフォンでウェブサイト「wine@」にアクセスし、オリジナルのワインカルテは作成済みでした。結局、ワインカルテが推薦する「爽やかフルーティ系 白ワイン」を含め、カリフォルニア産の銘柄を数種チョイス。
 
 
可南子さんが一通り試飲を終えたころ、スタッフの中川雄介さんが声を掛けてくれました。
中川さん「お味はいかがですか?」
 
 

 
可南子さん「今、私が試しているのはカリフォルニアの白ワイン『ファーディナンド/アルバリーニョ2019』。カリフォルニア白はフルーティで甘やかな味だと信じ込んでいましたが、こちらは香りがフレッシュ、ほのかな苦みとミネラル感のある味わいでゴクゴク飲みやすい。まさに飲みたかった味! カルテに沿ってワインを選ぶと、はずれナシで安心ですね」

中川さん「アルバリーニョは、カリフォルニア産のなかでも珍しいスペイン系品種です。産地は、近年注目度が高まっている『ローダイ』。大都市のサンフランシスコや有名ワイン産地のナパから見ると、さらに内陸に位置しています」
 
 
 

 
可南子さん「私、内陸側は訪れたことがなくて、何も知らないんです」
 
中川さん 「様々な品種を栽培しているローダイですが、一番ユニークな特徴はジンファンデルの古い樹が大事に残されているところ。
50年、100年と齢を重ねた樹から、たくさんのワインが造られているんです」
 
可南子さん「そんなお話を伺うと、どんな味なのか飲んでみたくなりますね」
 
中川さん「常時800種ほど揃う当店のワインセラーには、ちょうど『マイケル・デイヴィッド/セブン・デッドリー・ジンズ オールド・ヴァイン ジンファンデル2016」のご用意があります。造り手は150年以上続くワイナリーで、ローダイの古樹ジンファンデルを試すにはうってつけですよ」


可南子さん「このボトル、買って帰ろうかな。食事と合わせて飲んでみたい」
 
 
 

 
可南子さんはワインセラー探検へと移り、ようやくお目当てのワインを発見。
 
 
すると、中川さんからさらなるアドバイスが。
 
 
中川さん「当店でご購入のワインは、提携する飲食店へBYO(ワイン持ち込み<Bring Your Own> )ができます。まずは、wine@サイトのなかにある『BYOが可能な店を探す』ページをご覧になってみてくださいね。なかには、カリフォルニアワインがグラスで提供される『カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション』参加店もありますから、レストランでもまた様々な種類が楽しめますよ」
 
 
さらに、wine@ネットストアで購入してBYO店の予約をすると、ワインを店まで直送してもらえると聞いて、可南子さんはすぐさま決断!
可南子さん「ちょうど近々、恵比寿で友達と食事する約束をしているんです。そのシステム、さっそく使わせてもらいます!」

 

バイザグラス・プロモーションでカリフォルニアワインを堪能する!

さて後日、友人と恵比寿の駅で待ち合わせた可南子さんは、wine@サイトで予約を入れた「喜鈴」 へ。

ワインはバイザグラスの日替わりスタイルで白赤2~3種ほど揃え、カリフォルニアワインの銘醸ボトルも常備している炭火焼鳥の専門店です。
可南子さん「wine@で購入したボトルを開けつつ、お店に用意されている数種類のグラスワインもオーダーすれば、料理との相性をアレコレ試す最高のチャンスですね」

 
最初に登場した一品は、焼鳥「だき身」。
店長の神戸良太さんが「こちら、丹波黒鶏の鶏皮で抱くように巻いた胸肉です」と説明しつつ、焼き立てをお皿にのせてくれました。
すぐさま可南子さんはソムリエの坂田文さんとワインの相談をし、この日提供されていたバイザグラスのひとつ「スペルバウンド/シャルドネ2020」を合わせることに。
 


可南子さん「バニラやナッツの香りがして、酸味もしっかりと感じます」
坂田さん「香ばしくカリフォルニアらしい濃いめの味わいで、1杯でも満足感があるでしょう。なお、塩だけでなくたれ味の焼鳥にも合う白ワインなんです」


お店自家製の「焼き胡麻豆腐」に対し、坂田さんは「ハーン/カベルネ・ソーヴィニヨン2016」をセレクト。
 

可南子さん「胡麻豆腐には白ワインがくるかと思っていました」
坂田さん「胡麻はフルーツと相性のいい食材です。そこで、赤いベリーの風味が強い赤ワインと合わせていただこうかと」
可南子さん「あら、不思議。香りも味も甘めな赤ワインと、本当にバッチリ。最高です!」


そしていよいよ、可南子さんが持ち込んだボトル「マイケル・デイヴィッド/セブン・デッドリー・ジンズ オールド・ヴァイン ジンファンデル 2010」を開栓。
可南子さん「ジンファンデルのワインはあまり飲んだことがなかったのですが、どこかスパイシー。樹齢の古いブドウを使っていることもあり、味わい深さが光ります」古樹ジンファンデルの実力に唸ったところで、タレ味の焼鳥「ちょうちん」がやってきました。
 

 
坂田さん「まずキンカンを丸のまま口に入れ、追いかけるように串肉をかじり、口のなかで黄身をからめつつ召し上がってください」
可南子さん「黄身の旨味と、コリコリとした肉の歯応えがたまりません。タレ味もしっかりとしていて、ジンファンデルとよく合います」
坂田さん「ワインのスモーキーさがまた、炭焼きの香りともマッチするんですよね」
 
 
喜鈴」で提供される焼鳥や一品料理はどれもひと工夫凝らされ、カリフォルニアで人気の高級レストランと共通する創造性にあふれています。

可南子さん「今日のお食事からも、またカリフォルニアワインからも、伝統を大切にしながら新しいものを産み出そうとする気持ちが伝わってきました。おかげで、カリフォルニアへ数時間だけグルメ旅行したような満足感タップリ。日本にいながら、旅行欲も満たされました!(笑)」

 
喜鈴」のほか、バイザグラスでカリフォルニアワインに力を入れる『カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション』の参加店は、日本全国に広がっています。
 
 


今年2022年のプロモーション期間は、4月1日(金)から5月31日(火)まで。
カリフォルニアワインの世界に強く惹かれ始めた可南子さんも、「このプロモーション期間中、積極的にワインホッピングを続け、さらにいろいろなタイプのカリフォルニアワインと出会ってみたい!」と意気込むばかりです。



SHOP DATA
東京都渋谷区恵比寿西1丁目8−10 EBISU高橋ビルB1 
03-6427-8437



バイザグラスで楽しめる店を探してみよう



カリフォルニアワインをもっと知りたくなったら
カリフォルニアワイン協会
https://calwines.jp/

 

©︎2022.Yuji Komatsu.

【肉バル・肉ビストロ】BYOもできる5軒と編集部おすすめのペアリングワイン

「気軽にワインを飲みながら外食したい!」という時に重宝するのが、肉バルや肉ビストロと呼ばれる店ではないでしょうか。

コース料理を用意している店もありますが、基本はアラカルト。生ハムなどの前菜からガッツリ系の肉メニューまで、食べたいものを注文しながら自由にワインを楽しめるので、一人でカウンターもよし、仲間とテーブルで楽しむもよし、と使い勝手抜群です。

そこで、今回はBYOも楽しめるwine@おすすめの5軒をご紹介。それぞれの店の人気メニューとともに、BYOをするならこんなワインがおすすめという情報もお伝えしていきます。

基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介!をチェック!

希少な「鳥取和牛」専門の肉割烹・肉ビストロ

「全国和牛能力共進会」という品評会で1位を獲得した「鳥取和牛」が味わえる、半蔵門と麹町が最寄りの一軒。

「鳥取和牛」は黒毛和牛で、オリーブオイルの主成分のオレイン酸を豊富に含むサシが特徴で、東京では月間10頭ほどしかお目にかかれない非常に希少価値の高い和牛です。

レアにこだわった「和牛のカツレツ」や、甘めの割り下とトリュフ、卵を絡めて食べる「トリュフすき焼き」などが人気メニュー。そのほかにも、割烹出身の料理人による握り寿司やすき焼き風しゃぶしゃぶ、フレンチ出身のシェフによるパスタやタルタルなど様々なジャンルの和牛創作料理が楽しめます。

半蔵門ビストロ ブレインストーミング
  • 住所:〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1 B1
  • TEL:03-6272-8608

BYOをするなら、シルキーな渋みがある赤ワインがおすすめ。赤身のうま味とサシの上質な脂をきれいに包み込んでくれます。

2012 ロッソ・ディ・トスカーナ/レッチャイア
産地
イタリア・トスカーナ州
品種
サンジョヴェーゼ・グロッソ60%、カベルネ・ソーヴィニヨン&メルロ40%
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

生ハムからスタート!本格イタリアンのワインバル

スタートは生ハムの盛り合わせから楽しみたい!という方も多いはず。代々木にあるこのワインバルの冷製メニュー人気No.1を誇るのが「本日のプロシュート盛合せ」です。

“世界三大生ハム”の一つと言われるパルマハムなど、イタリア産のプロシュットをメインに、毎日お店でスライスして提供。口に入れた瞬間に脂身のうま味が口いっぱいに広がります。

他にも、肉をマリネするところから作るという「自家製ソーセージ」などの肉料理やシェフこだわりのイタリアンがメニューに並び、どれもワインが進みます。

代々木ビストリア
  • 住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-43-2 メトロビル 1F、B1F
  • TEL:03-6276-4311

生ハムについて詳しく知りたいという方は、「生ハム」の「生」って何?ワイン好きが知っておくべき【世界のハム】&おすすめの店5選 をチェック!

おすすめのペアリングワインは、イタリアの辛口スパークリング。前菜からメインまで通して楽しめます。

青リンゴのような果実味が生ハムの塩味と対比して、バランスのよいペアリングとなります。エレガントなミネラル感もあり、ワインの泡立ちとともに口いっぱいに広がっていきます。

2019 プロセッコ・ミレジマート/ヴィーニャ・ドガリーナ
産地
イタリア・ヴェネト州
品種
グレラ100%
タイプ
ライトボディ辛口 スパークリング

牛タン×ワインを楽しむ湯島の隠れ場バル

“牛タン×ワイン”を楽しむという個性がはっきりしたこの湯島の一軒は、上野や御徒町からも好アクセス。

希少なタン元を贅沢に使用した厚切り牛タンは、絶妙な火入れ。提供まで約20分かかりますが、外はカリッと中はジューシーな食感です。

他にも、牛タンを使ったパテ・ド・カンパーニュは自家製ですし、極上牛タンのカルパッチョなんていう前菜もあり、数量限定メニューには、極上牛タンローストビーフや厚切り牛タンの肉寿司といった料理も並びます。

牛タン&ワインバル SHITAN'S
  • 住所:〒113-0034 東京都文京区湯島3丁目36-3 ブランノワール湯島1F
  • TEL:03-5826-8710

赤ワインもいいですが、塩でタンの素材そのもののおいしさを堪能するなら、ドライだけれどコクのある白でペアリング。ボルドーのこの1本なら、タンの旨みを口の中で十分に広げてくれます。

2015 エール・ド・リューセック/シャトー・リューセック
産地
フランス・ボルドー地方
品種
セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ
ミディアムライト辛口 白

備長炭で焼き上げる最高級ラムチョップでワインを

神楽坂駅から2分ほどの場所にあるこの店の看板料理は、何と言っても備長炭で一本一本焼き上げるニュージーランド産最高級ラムチョップ。1本530円からとリーズナブルなのも魅力です。

そのほか、炙りラムのネギポン酢やラムバターカレー、さらに酵素ポークのパテ・ド・カンパーニュや牛フィレのグリル、本日のアヒージョなどのラム以外の料理もあり、飽きることなく満腹になれます。

ウルトラチョップ 神楽坂
  • 住所:〒162-0825 東京都新宿区神楽坂5-30 エムティティ神楽坂1F
  • TEL:03-6265-3066

おすすめのペアリングワインは、冷涼感もあるシラーズ。羊肉に欠かせないブラックペッパーのスパイシー感はもちろん、芯のある果実味と酸味がある赤ワインなら、ラムの味わいを引き締めながら、うま味を高めてくれるはずです。

2016 グレート・ウエスタン・Bin No. 1・シラーズ/ベスツ
産地
オーストラリア
品種
シラーズ
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

牛・豚・鶏からウサギや鹿まで味わえる新橋のジビエバル

新橋エリアで定評を得ているプラチナフィッシュ系列の一軒。ここは、厳選された肉だけを集めたワイルドな肉バルです。

都会のど真ん中にできた、新しいスタイルのジビエ肉バルで、牛・豚・鶏の他に、ウサギやエゾシカ、季節によっては滅多に食べれない肉を楽しむことができます。

スモーキーな味わい深さが癖になるオリジナルの燻製肉、さらに「土佐のあかうしたたきカーペット」という人気メニューがあり、必食です。

肉バル グリル&バーベキュー プラチナミート
  • 住所:〒105-0004 東京都港区新橋2-12-8 GEMS新橋1F
  • TEL:03-6257-1129

食べ応えがあり、クセのある肉料理もまろやかにしてくれるのは、スペイン・リオハの赤ワイン。果実味と渋みのバランスが整い、飲みごたえもあるものなら、定番の牛や豚からウサギや鹿など網羅して受け止めてくれます。

2011 グラン・レセルバ/マルケス・デ・カセレス
産地
スペイン
品種
テンプラニーリョ主体
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

【牡蠣・オイスター】に合うワイン?5種の食べ方別ペアリング&BYOも可能なおすすめ3軒

新鮮な牡蠣が気軽に楽しめるオイスターバーも増え、“牡蠣×ワイン”は日本でもおなじみのものになってきました。

でも「どんなワインを選ぶ?」となると、有名なグルメマンガの影響もあり「牡蠣に合うワインは白、それもシャブリ」という固定観念に囚われている人も多いのではないでしょうか。確かにシャブリも選択肢の一つですが、それでは一辺倒で面白くない。また牡蠣は食べ方(調理法)がいくつかありますので、それぞれに合うワインがあり、中にはロゼや赤が合うペアリングも存在します。

そこで今回は、知っているとより楽しく、おいしく食べられる牡蠣にまつわるストーリーからスタートして、牡蠣の代表的な5種の食べ方別に合うワインを紹介。最後に、BYOまでできてしまう牡蠣店・オイスターバーを厳選してご紹介します。

世界の牡蠣の7割が「日本種の牡蠣」? 日本とフランスをつなぐ絆も

フランス、アメリカ、オーストラリア…牡蠣(オイスター)は、世界のワイン大国で愛されている食材の一つ。その種類はなんと200近くもあるのだとか。中でもほぼ100%、剥きたてを生で食べる!というのが、フランスです。フランス北部のノルマンディーからブルターニュにかけての沿岸には、もともと天然の牡蠣がたくさん生息していて、200年くらい前まではまさに“食べ放題状態”だったそうです。しかしながら、乱獲で激減。そこで養殖技術が発展し、フランスの牡蠣は100%養殖で楽しまれるようになっていきます。

1960年代には、絶滅の危機がまた到来。大寒波がブルターニュ地方を襲い、海面が厚い氷に閉ざされ、フランスの牡蠣(平牡蠣)に病気が蔓延してしまうのです。そんなフランスの牡蠣養殖の救世主が、実は日本の牡蠣(真牡蠣)!三陸の牡蠣組合が送った種牡蠣がフランスの北の海にも定着し、以来、クルーズ型とも呼ばれる真牡蠣がフランス牡蠣の主力品種となっていきました。

今では世界市場の7割を占める種類が「パシフィック・オイスター」、別名“ジャパニーズ・オイスター”とも呼ばれる真牡蠣なのだとか。世界のオイスターを語る上で、細長くぷっくりとした形の日本の牡蠣は、とても重要な存在となっているのです。

そして、フランスと日本の牡蠣物語には、後日談もあります。それは、東日本大震災が起こった2011年のこと。壊滅的な被害を受けた三陸の牡蠣生産者のために、フランスの生産者が結束。日本の牡蠣に恩返しを!ということで、義援金や資材などを送り、強力な復興支援が行われました。

私たちが今、牡蠣×ワインを気軽に楽しむことができるのは、こうした歴史、そして生産者たちの熱い思いとプライドのおかげなのです。

牡蠣に合うワインが「シャブリ」とは限らない

牡蠣とシャブリ。冒頭でも少し触れたグルメ漫画の影響もありますが、ワイン業界でもその相性の良さに関する通説がありますので、少しご紹介しておきましょう。

シャブリ地区は、フランス・ブルゴーニュ地方の北にあります。海のない内陸ですが、太古の昔は海だったようで、その土壌からは牡蠣の殻の化石が出土されるのだとか。貝殻の石灰分が豊富に含まれた土壌(キンメリジャン)に根を張ったシャルドネのブドウ樹からは、石灰由来のミネラルがしっかり感じられるワインができ、生牡蠣にぴったり合うのも当然…というロジックです。

土壌のミネラル成分がブドウの実に直接移行することは考え難いので、科学的にはちょっと疑問が残る通説なのですが、舌をキュッと締めるようなミネラル感がある白ワインが、生牡蠣に合うというのは確か。シャブリだけでなく、他のワインに目を向けても良さそうです。

では、次に牡蠣を食べる時におすすめのペアリングワインを代表的な5つの食べ方(調理法)別に探っていくことにしましょう。

【生牡蠣】フレッシュ&ミルキーな味わいには柑橘香のある白を

新鮮さが命の生牡蠣には、レモンをキュッと搾って食べるのというのが定番のおいしい食べ方ですね。レモンに含まれるクエン酸は、冷たいとおいしく感じる有機酸の一つで、魚介類に含まれるグリコーゲンと好相性と言われています。

一方、ワインに含まれているリンゴ酸や酒石酸もクエン酸と同じく、冷たいとおいしく感じる有機酸。なので、レモンのような柑橘の爽やかな香りとキレのある酸味を持つ白ワインが、生牡蠣とよく合います。バニラのような樽香は牡蠣の生臭さを引き出してしまうので避けましょう。こうした条件からも、樽熟成をさせていないカジュアルなシャブリは、ペアリングワインの一択として考えられます。

2018 シャブリ/ドメーヌ・ド・ラ・コルナス
産地
フランス・ブルゴーニュ地方(シャブリ地区)
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

また、牡蠣の塩分やミルキーなコクにスッと寄り添い、さらにうま味を引き立ててくれるのは、柑橘やハーブの香りとともに後味に潮のようなほのかな苦みが感じられる白。大西洋に注ぐロワール河口のエリアで造られ、澱と一緒に醸されるシュール・リーのミュスカデのワインは、特におすすめです。

2018 ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ・シュール・リー・レ・ウー/ランドロン
産地
フランス・ロワール地方
品種
ミュスカデ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

ちょい足し次第では、赤ワインが合う!

生牡蠣でも実は“ちょい足し食材”があると、何と赤ワインが好相性となることも!フランスのボルドー近くの沖合も、実は牡蠣の優良産地。当地でのペアリング例を一つご紹介しましょう。

生牡蠣と赤ワインをそのまま合わせると、えぐみが立ってしまい、やはり相性は良くありません。でも、赤ワインの銘醸地であるボルドーは海洋性気候で牡蠣食の文化もあり、中世の時代から、なんとソーセージを一緒に食べるというペアリング手法があります。熟成した肉の塩気とうま味がプラスされると、これが不思議。まろやかなタンニン(渋み)と果実味がある赤ワインとよく合うのです。

2007 シャトー・シトラン
産地
フランス・ボルドー地方
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

【焼き・蒸し牡蠣】うま味たっぷりで風味に厚みがある白を

生牡蠣のところで有機酸のことに触れましたが、牡蠣そのものに含まれる有機酸は、乳酸とコハク酸。これらは温めることでよりおいしく感じられる性質を持っています。

七輪の網の上に並べてワイルドに焼いたり、ぷっくりジューシーに蒸したりする“シンプル加熱系調理”の場合、乳酸とコハク酸の性質から牡蠣のおいしさが高まり、エキスもたっぷり染み出た状態になります。

レモンを搾るなら生牡蠣と同様のワインも合いますが、ビタミンB群やタウリンも含まれる焼き牡蠣や蒸し牡蠣には、ロゼや軽やかな赤も合います。また、海の潮っぽい風味もあり、少し厚みのある白ワインがかなり好相性。スペインやポルトガルのアルバリーニョ種のワインが、特におすすめです。

2019 ソアリェイロ・アルヴァリーニョ
産地
ポルトガル
品種
アルバリーニョ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

【牡蠣グラタン・バターソテー】クリーミーさとミネラル感を併せ持つ白を

焼き牡蠣や蒸し牡蠣と同じ加熱調理でも、グラタンやソテーはバターや牛乳、チーズといった乳製品を使った牡蠣料理。ワインももう少し香りや味わいに厚みのあるものが必要となります。

おすすめは、フレッシュハーブの香りやミネラル感もありつつ、ほんの少しだけ樽由来の香りやクリーミーなテクスチャーがある白ワイン。牡蠣の有名産地でもあるボルドー産で、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンがブレンドされたふくよかな白ワインがベストマッチとなるでしょう。

2015 エール・ド・リューセック
産地
フランス・ボルドー地方
品種
ソーヴィニヨン・ブランほか
タイプ
ミディアムライト辛口 白

【牡蠣フライ】ワインは香ばしい衣にかけるソース次第!

牡蠣のうま味をギュッと閉じ込めるカキフライは、人気が高い料理です。サクサクした衣の食感に合わせてスパークリングワインを選ぶのもいいですし、これも加熱調理ですので、ペアリングワインの可能性は広がりますが、「何をかけて食べるか」が選ぶ時の重要なポイントになります。

レモンをキュッと搾ってあっさり食べるなら、やはりシャープな酸味があるシャブリもいいですし、揚げ物のパワーに併せて樽の香りがあるシャルドネという選択肢も。

2017 マコン・ラ・ロッシュ・ヴィヌーズ・ブラン/オリヴィエ・メールラン
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

また、タルタルソースをかけるなら、果実味のある白かプロヴァンスのロゼワインが合いますし、ウスターソースをかけるなら、渋みが少ない赤ワインがおすすめです。

2018 コトー・デクス・アン・プロヴァンス・ロゼ/エシュ&バニエ
産地
フランス・プロヴァンス地方
品種
グルナッシュ
タイプ
ミディアムライト辛口 ロゼ

【土手鍋】 味噌の味にはうま味と果実味が豊かな赤を

鍋の縁(ふち)に味噌を塗りつけて、具材を煮ながら味噌も溶かして食べる土手鍋は、広島の郷土料理が始まり。その名の由来は、土手のように味噌を塗ること以外にも、牡蠣商人の苗字説など諸説あるよう。具材はいろいろなものがありますが、広島発祥ということもあり、名産の牡蠣が一番有名でしょう。

味噌は火にかけている間に軽く焦げる部分もあり、その香ばしさもおいしさの一つ。加熱されて滲み出てくる牡蠣のうま味エキスと相まって、濃厚な味わいとなっていきます。

これに合うワインは、熟成によるうま味と果実味がしっかりとして、ほどよい渋みがある赤ワイン。スペインの地中海沿岸のものやイタリアのヴァルポリチェッラあたりがおすすめです。

2017 プレディカット/グリフォイ・デクララ
産地
スペイン・カタルーニャ州/プリオラート
品種
ガルナッチャ45%、カリニェナ45%、メルロー10%
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

以上、牡蠣の食べ方や調理別でご紹介しましたが、料理とワインのマリアージュやペアリングの基本を知っている方なら、そう特別に考える必要はありません。

■基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介!をチェック!

また、「どんな牡蠣料理でも1本通しで楽しみたい!」という方には、キレのある酸味とミネラル感があるスパークリングワインがやはり万能です。カジュアルに楽しむならブリュット(辛口)のカバを、贅沢にいくなら、シャルドネ100%のブラン・ド・ブランのシャンパンで楽しむのがツウかもしれません。

それでは、最後に“牡蠣×ワイン”のペアリングを実際に体験できる店をご紹介しましょう。

BYOもできる!牡蠣(オイスター)が楽しめるおすすめの3軒

「色々と分かってきたから、自分で選んだワインを持ち込んで試してみたい!」という人にも、「とりあえず“牡蠣×ワイン”のペアリングを実際に体験してみたい!」という人にも楽しんでもらえる店を…。編集部ではそんな条件をもとに、3軒の牡蠣が楽しめる店を厳選しました。ぜひご活用ください。

■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!
【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法

魚介ビストロ sasaya BYO 大崎店

牡蠣料理を中心に、魚介料理の数々が充実したビストロ。大崎駅西口からすぐという立地も魅力の一軒です。ワインは常時140種以上を揃え「お持ち込みも大歓迎!」とのこと。WINE@オンラインショップからの直送も可能で、持ち込み料も1本999円という破格っぷり。BYOで牡蠣×ワインを気軽に楽しみたい方はぜひ。

魚介ビストロ sasaya BYO 大崎店
  • 住所:〒141-0032 東京都品川区大崎3-6-17 ニュー大崎ビル2F
  • TEL:03-6417-0574

Spiral(神泉)

バルスタイルで多種多様なオイスター料理が楽しめる渋谷のここは、日本全国から直送される牡蠣を常時10種類以上用意しているとのこと。店にもシャンパンやワインが揃っていますが、こだわってBYOをやってみたい方に特におすすめ。スパークリンググラス、白ワイングラス、赤ワイングラス(ボルドー・ブルゴーニュ)も揃っているので、ワインごとにグラスも変えて楽しめます。

Spiral
  • 住所:〒150-0044 東京都渋谷区円山町14-2 福富ビル1F
  • TEL:03-6416-1213

The Oyster’s(新橋)

新橋のこの店には、空輸で北海道産のプリップリの牡蠣が日々入荷。牡蠣料理のバリエーションのみならず、餃子や一風変わったピザといった幅広いメニューがあるので、仕事仲間と牡蠣×ワインを楽しむにはもってこいの店です。WINE@オンラインショップからの直送もできるので、手ぶらでBYOを楽しめますし、ワインの抜栓、ワインクーラー貸出、ワインごとのグラス変更などにも対応してくれます。

The Oyster's
  • 住所:〒105-0004 東京都港区新橋5-8-9 山田ビル1F
  • TEL:050-5595-5479

【パスタ】ソースのタイプ別で探るワインペアリング&BYOも可能なおすすめイタリアン3軒

1人分から手軽に作れるということもあり、すっかり日本の食卓にも馴染んだパスタ。スパゲッティをはじめ、パスタには様々な種類があり、ソースも多彩です。

本国イタリアには地方ごとに多種多様な形状のパスタがあります。そして郷土の食材を使った“マンマ”のパスタ料理があり、その郷土のワインを飲みながら楽しむのがセオリーではありますが、パスタ料理の味わいそのものに注目すれば、ワイン選びの幅はもっと広がります。

そこで今回は、まずパスタソースのタイプ別に分けながら、基本のワインペアリングを探究。イタリアワインだけでなく、世界各国のお手頃ワインも選択肢に入れて、家ごはんや家飲みで、おいしく気軽に楽しむ組み合わせを紹介していきます。

そして、最後に「パスタ&ワインを店で楽しむならここ!」という編集部おすすめのイタリアンもご紹介。BYOもできる店をセレクトしましたので、ぜひ参考にしてみてください。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【ペアリングの基本&コツ】をまずはおさらい! 

パスタに限らず、料理とワインのペアリングには基本やコツがあり、このWINE@マガジンでも色々な料理をテーマに紹介しています。パスタソース別の考察に入る前に、まずはちょっとおさらいしておきましょう。

ポイント1:「色」を合わせる

ワインの知識があまりない!という方は、まず「色」に注目してみましょう。白っぽい料理には白ワイン、赤茶色の料理には赤ワインという単純な考え方です。もちろんこれは絶対的な法則ではありませんが、ワイン超初心者はまずそれを入り口にして好みを探っていくのも一つの手です。

ポイント2:「香り」を合わせる

料理に使われる食材そのものの香りも大事な要素。例えば、青々しい野菜の香りがある料理には、ソーヴィニヨン・ブランの白ワインやカベルネ系のブドウの赤ワインを合わせるといった具合です。また香ばしく焼いたものであれば、樽熟成したワインがおすすめ。カラメルやトーストのような樽由来のワインの香りが、その食材の香ばしさとよくマッチします。

ポイント3:「味のバランス」を考える

料理上手な方やワイン上級者は、ここに注目。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を基本の五味と言います。その料理にはどんな味わいがあるのかに注目し、ワインが持つ味わいとのバランスを考えると、ベストマッチするワインが選べるようになります。

ペアリングの世界は奥が深く、絶対的な正解というものはありません。今回はパスタ料理をソースのタイプ別に分けつつ、特に「香り」と「味のバランス」に注目して、おすすめのペアリングワインをご紹介していきますが、それらも選択肢に過ぎません。「おいしそう!試してみたい!」と思うものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

【トマトソース系】酸味とうま味が詰まった王道パスタ

そもそもパスタは「生地、ペースト」を意味するイタリア語で、その誕生については諸説ありますが、古代ローマ時代から小麦粉と水を捏ねて作られてきたシンプルなもの。多彩なソースを絡めたスタイルは、大航海時代に南米からもたらされたトマトが大きな影響を及ぼしたと言われています。

ポモドーロアマトリチャーナ

完熟したトマトは、うま味成分の一つであるグルタミン酸がたっぷり。酸味も伴い、しっかりした味わいのソースができます。

その味を全面に出したパスタといえば、ポモドーロ(イタリア語で「トマト」の意味)。また、タマネギ、パンチェッタ、羊乳のチーズを使ったローマ生まれのアマトリチャーナも代表格と言えるでしょう。

トマトソース系には、フルーティな酸味と軽やかなうま味があるワイン、アルコールや渋みは軽めの赤かロゼがおすすめです。バルベラ種の赤ワインはピエモンテを中心とした北部で主に造られますが、味わいとしては南部のトマト料理ともよく合います。

ピオ・チェーザレ / バルベーラ・ダルバ 2015
産地
イタリア / ピエモンテ州 / アルバ
品種
バルベーラ100%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムライト

ペスカトーレヴォンゴレ・ロッソ

トマトソース系でも、シーフードを具材としたペスカトーレヴォンゴレ・ロッソは、磯の風味も大事なポイント。魚介のうま味や潮のニュアンスを受け止めてくれる、南仏プロヴァンスのドライなロゼワインはとてもよく合います。

2018 コトー・デクス・アン・プロヴァンス・ロゼ/エシュ&バニエ
産地
フランス・プロヴァンス地方
品種
グルナッシュ
タイプ
ミディアムライト辛口 ロゼ

【ラグーソース系】煮込んで凝縮したうま味たっぷりのパスタ

トマトピューレなどを使いつつも、肉などと一緒に煮込んだラグーのソースは、うま味がさらに凝縮し、香ばしさなども加わって複雑な味わいになったものが多くあります。

ボロニェーゼラザーニャ

ミートソースの名前でおなじみのボロニェーゼ(ボロネーゼ)や、板状のパスタとソースを重ねて焼き上げるラザーニャ(ラザニア)は、日本でも安定の人気を誇るパスタ料理。パルミジャーノ・レッジャーノなどのチーズも欠かせない濃厚な味わいなので、果実味もアルコールもしっかりあって渋みも感じる赤ワインがよく合います。

キアンティ(キャンティ)など、サンジョヴェーゼやメルローを使ったトスカーナのワインは、肉やチーズのうま味にも共鳴するワインです。

2012 ロッソ・ディ・トスカーナ/レッチャイア
産地
イタリア・トスカーナ州
品種
サンジョヴェーゼ・グロッソ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

本格的なボロニェーゼのレシピやパルミジャーノ・レッジャーノ、イタリアワインとのペアリングについて詳しく知りたい方は【イタリアワイン&チーズの王様】3種の楽しみ方とプロ直伝のパスタレシピ もチェック!

【クリーミー系】舌触りも濃厚なコク豊かパスタ

香りや味わいと同様に大事なのは、舌で感じる感覚。ねっとり、しっとり、サラサラなどの舌触りや口当たりはテクスチャーとも呼ばれ、料理でもワインでもキーポイントになっています。

サーモンクリームきのこクリーム

クリームソースのパスタは、なめらかで濃厚なテクスチャーも魅力。サーモンクリームきのこクリームのパスタは日本人にも人気のメニューです。

なめらかで乳脂肪の風味も豊かなパスタ料理には、酸味がまろやかで凝縮感があり、ほんのり樽由来の香ばしさがあるシャルドネがおすすめです。

2018 ヤラ・ヴァレー・シャルドネ/ホドルス・クリーク・エステート
産地
オーストラリア
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムフル辛口 白

カルボナーラ

本場ローマでは生クリームは絶対に使わないカルボナーラも、ペコリーノ・ロマーノという羊乳チーズと卵黄が決め手で、濃厚でクリーミーなテクスチャーが特徴的です。

黒胡椒も効かせたカルボナーラには、まろやかな酸味としっかりした果実味、さらにフレッシュアーモンドのような軽い香ばしさがある白ワインが相性抜群。マルヴァジア種主体の白ワインや、ヴェルメンティーノ、ヴェルディッキオ、フィアーノといったイタリア品種の白ワインがやはりよく合います。

シッドゥーラ / マイア 2019
産地
イタリア / サルデーニャ州 / ガッルーラ
品種
ヴェルメンティーノ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル

カルボナーラとワインについては、本格&簡単【カルボナーラ】のレシピ という記事で詳しく解説しています。

【オイルベース系】素材の味を活かしたシンプルパスタ

オリーブオイルと具材の風味をシンプルに生かしたオイルベース系のパスタには、どんなワインが合うでしょうか。

アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ

オイルベース系の代表と言えば、アーリオ・オリオ・ペペロンチーノの右に出るパスタはないでしょう。日本では単に「ペペロンチーノ」と呼ばれることが多いのですが、ペペロンチーノは唐辛子のこと。イタリア語で、アーリオはニンニク、オリオはオイルを意味しますので、正式名称は「アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」となります。

また、唐辛子を使ったパスタで日本でも人気のものといえば、ペンネ・アラビアータを忘れてはいけません。こちらはトマトソースがベースではありますが、味の決め手はやはり、ペペロンチーノ。

唐辛子が日常の食文化に溶け込んでいるカラブリア州。彼の地の土着品種、ガリオッポから造られたロザート(ロゼ)なら、アーリオ・オリオ・ペペロンチーノにもペンネ・アラビアータにもぴったりです。

2019 チロ・ロザート/スカラ
産地
イタリア・カラブリア州
品種
ガリオッポ100%
タイプ
ミディアムライト辛口 ロゼ

ヴォンゴレ・ビアンコ

トマトソースのヴォンゴレ・ロッソではなく、ヴォンゴレ・ビアンコもここで考察しておきましょう。

アサリのうま味と舌にじわっとくるミネラル感がストレートに味わえるパスタなので、ここは迷わず潮のミネラル感がある白ワインをチョイス。

ほろ苦い後味と柑橘系の酸味があるイタリア・シチリアの白はもちろん、スペインやポルトガルのアルバリーニョもおすすめです。

ソアリェイロ / アルヴァリーニョ 2019
産地
ポルトガル / ミーニョ地方 / ヴィーニョ・ヴェルデ
品種
アルバリーニョ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムライト

【その他バラエティ系】風味しっかりの人気のパスタ

ソース別でカテゴライズするのは難しい個性派&大人気のパスタ3種を、最後に考察しておきましょう。

ジェノヴェーゼ

バジルの緑が目にも鮮やかなジェノヴェーゼ。北部のリグーリア州生まれのパスタですが、同郷のチンクエ・テッレは入手しづらい白ワインなので、香りや味わいから考えてみましょう。

バジルの青々しい香りに加え、パルミジャーノ・レッジャーノと松の実のコクが効いた味わいなので、ハーブのさわやかな香りはありつつも、樽熟成によるナッツの香りや果実味やアルコールからくる厚み(ボディ)が感じられる白ワインがよく合います。ボルドーの白ワインは、そんな条件を兼ね備えたものが多くあります。

2018 ブラン・ド・シャス・スプリーン/シャトー・シャス・スプリーン
産地
フランス・ボルドー地方
品種
セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ
ミディアムライト辛口 白

たらこ・明太子

お次は“和風パスタの代名詞”とも言える、たらこや明太子のパスタ。オリーブオイルではなくバターで調味され、最後にかけられる海苔の風味がプラスされたこのパスタには、酸化熟成の風味がある辛口シェリーやヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)が実はよく合います。

ですが、手頃なワインで選ぶなら醸し系の白ワインやオレンジワインがおすすめ。ゆずや夏みかんのような和柑橘を思わせる酸味とほのかな苦味があるこのオレンジワインは、じわっとしたうま味も特徴的で、たらこや明太子だけでなく、バターのまろやかさも受け止めてくれます。

2019 ピガート/コーナー・ワイン
産地
オーストラリア
品種
ヴェルメンティーノ
タイプ
ミディアムライト辛口 オレンジ

ナポリタン

最後に、定期的に食べたくなってしまう日本人のソウルフードの一つ、ナポリタン。ハムやソーセージ、ピーマン、タマネギを炒め、ケチャップで味付けしたこの洋食パスタには、マイルドな酸味とフルーティな果実由来の甘みがある軽めの赤ワインがおすすめです。

ボージョレ・ヌーボーや日本のマスカット・ベーリーAのワインがよく合いますが、ナポリタンに入っているピーマンの青々した風味が浮かないよう、少し似たような香りがあるロワールのこの赤もなかなかのもの。ちょっと意外で斬新なペアリングが体験できると思います。

2014 ソーミュール・シャンピニー・レ・テール・ルージュ/サン・ジュスト
産地
フランス・ロワール地方
品種
カベルネ・フラン
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

人気のパスタとのペアリングワインをソースのタイプ別でご紹介してきましたが、家ごはんのパスタに関しては、軽やかに楽しむこともとても大事。気負わずに自分好みのワインを見つけていただければと思います。

料理とワインのマリアージュやペアリングの基本や原則をしっかりと押さえておきたい!という方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介! をチェック!

BYOもできる!おいしいパスタが食べられるイタリアン3軒

それでは、最後に「パスタ&ワインを店で楽しむならここ!」という編集部おすすめのイタリアンで、BYOもできる3軒をご紹介しましょう。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!

【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法

Trattoria Da Kenzo(横浜・馬車道)

WINE@のWINE SELECTORSとしても大活躍のソムリエ、矢野航さんが勤めるトラットリア。素材の持ち味を知り尽くしたシェフによるパスタも絶品です。矢野さんセレクトのワインで楽しむのが王道ですが、BYOでサービスをしてもらうのも楽しそうです。

Trattoria Da Kenzo
  • 住所:〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町5-78 清栄ビル3F
  • TEL:045-298-3737

(La Fabbrica Della Pasta) Quel(本郷三丁目)

店名に“パスタ工房”と掲げるほど、郷土感あふれる手打ちのパスタフレスカ(生パスタ)にこだわった店で、ワインは自然派のロゼやオレンジワインが揃います。BYOでも、シェフソムリエシリーズのワイングラスが使用でき、WINE@オンラインショップからのワイン直送も可能。

(La Fabbrica Della Pasta) Quel
  • 住所:〒113-0033 東京都文京区本郷2-26-11 浜田ビル1F
  • TEL:03-6801-8853 

QUINDI(代々木上原)

食の世界のプロも通う一軒で、店内は物販ショップとレストランが共存。直接生産者に会って目利きをした食材のみを使用し、その時期、その日の仕入れ状況によってアラカルトメニューが変わります。WINE@オンラインショップから直送したワインや店内で販売しているワインでBYOをすることもできます。

QUINDI
  • 住所:〒151-0061 東京都渋谷区上原2-48-12 東洋代々木上原コーポ101
  • TEL:03-6407-0703 

【韓国料理】に合うワイン?料理のタイプ別ペアリング&BYOも可能なおすすめ3軒

韓国料理というと、まずは焼肉やキムチなどがパッと思い浮かぶかもしれませんが、流行りもののスイーツやストリートフードなどもあり、まさに多種多様。お隣の国ということもあり、日本の日常の食の中でもたくさんの料理が浸透しています。

辛いものが多いのは確かですが、うま味を伴った辛みがポイントになっている料理がほとんどで、甘味や塩味の絶妙なバランスがある料理も多いので、適したワインを合わせると、新たなおいしさや可能性が生まれます。

そこで、今回は日本でもおなじみのメニューを大きく3つのタイプに分けて、ワインペアリングを考察。それぞれに合うおすすめワインも具体的に紹介していきます。

■基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介!をチェック!

併せて、BYOまでできてしまう韓国料理店を3軒厳選して最後にご紹介しますが、まずは韓国料理の特徴や基本を知るところから始めましょう。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

韓国料理とは?その歴史と特徴

「韓国料理(朝鮮料理)」と一口に言っても色々なものがありますが、そのルーツを辿るとおよそ2,000年前の王族の食事や宮廷料理につながっていきます。それが庶民に伝わりながら、各地域や家庭で多様化。品数豊富な「韓定食」や季節行事と紐づいた「節日料理」もそうして生まれてきました。

また「薬食同源」というのが、大事なキーワード。お隣の中国でも同様ですが、「食べるものはすべて薬になる」という考え方です。この「薬食同源」が根本にあるからこそ、肉などのメイン料理だけでなく、スープや鍋物、副菜、ご飯が並ぶ多皿展開の食卓になっているようです。

バリエーション豊かな多皿展開の食卓ゆえ、箸とスプーンの両方を必ず使うというのも大きな特徴。「ご飯ものや汁物はスプーンで、おかずは箸で」と、使い分けがされています。

またキムチなどの多種多様な副菜は、まさに常備菜。半端に残った常備菜の上手な活用法として生まれたのが、ビビンバなのだとか。最近ではサステナブルやエシカルという言葉で表現されますが、食材を“おいしく始末する”というスタイルは、韓国でも日常生活の中で育まれていました。

【辛ウマ刺激系】キムチチゲ・スンドゥブ・トッポギ

韓国には「クク(湯、タン)」と呼ばれる汁物と、「チゲ」と呼ばれる鍋物があります。

その境界線はやや曖昧で、具だくさんで、土鍋や鉄鍋で出されることが多いのが「チゲ」なのだとか。ちなみに日本で「チゲ鍋」と呼んだりしますが、これだと“鍋鍋”になってしまうので、要注意です。

チゲにも多く使われるのが唐辛子ですが、中南米原産の唐辛子が韓国に普及したのは18世紀後半。それまでは、キムチの辛みには山椒が使われていたようです。

定番のキムチをたっぷり使った「キムチチゲ」、消化がよく口当たりがなめらかな豆腐の鍋「スンドゥブ」、伝統的なストリートフードの「トッポギ」あたりは、日本でもおなじみの料理でしょう。

こうした“辛ウマ刺激系”の料理には、唐辛子ペーストのコチジャンのみならず、発酵させた韓国の味噌類や塩漬けで発酵させたエビなども調味料として使われるため、ただ辛いのではなく、うま味や塩味が加わったおいしさがあります。

それらの味わいを受け止めつつ、「あと一口、もう一口」と食を進めてくれるワインとしておすすめしたいのは、ガリオッポというイタリア・カラブリア州の土着品種から造られるロゼです。

ほどよいタンニン(渋み)とスパイシーさがあり、エッジが効いていて、味わいに奥行きあり。しかもロゼなので適度な酸味もあり、飲み疲れしません。

2019 チロ・ロザート/スカラ
産地
イタリア・カラブリア州
品種
ガリオッポ100%
タイプ
ミディアムライト辛口 ロゼ

有名な漫画『神の雫』でも「キムチとのマリアージュ」というテーマで、ガリオッポ種の赤ワインが登場していました。カラブリア州には唐辛子を使った郷土料理があるということからストーリーが展開していましたので、興味がある方はそちらも読んでみてください。

「ロゼじゃなくてしっかり濃いめの赤ワインが好き!」という方には、ガリオッポのほかに、南イタリアの赤の代表格、アリアニコ種のワインもおすすめです。

ヴィノジア ネロモーラ 2017/ヴィノジア
産地
イタリア / カンパーニア州
品種
アリアニコ100%
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

【コッテリ満足系】チーズタッカルビ・骨付きカルビ・サムギョプサル

辛みやうま味だけでなく、脂分もしっかりある料理は「食べた!」という満足度が高いもの。そんな“コッテリ満足系”の料理で、流行りものからすっかり定番メニューになったのが「チーズタッカルビ」です。

タッカルビ(ダッカルビ)は鉄鍋料理の一つで、肉や野菜、そしてコチジャンなどを合わせて炒める料理のこと。韓国語で「タッ」は鶏を、「カルビ」はあばら骨を意味します。

タッカルビの甘辛い味わいと、チーズの濃厚な乳風味と塩味の融合。ワインが合わないはずがありません。

おすすめしたいのは、果実味とほんのりした甘味が同調しながら、脂や濃い味をさっぱりさせてくれるタンニン(渋み)と軽やかなシュワシュワ感がある1本。やや甘口の赤のスパークリングワインです。

ブヴェ・ラデュべ / ルビー・エクセランス ドゥミ・セック N.V.
産地
フランス / ロワール地方
品種
カベルネ・フラン、ガメイ、グロロー
タイプ
赤スパークリングワイン - 中甘口(セミスイート) - ミディアムフル

「韓国で食事と言えば、骨付きカルビ!」という人も多いはず。“コッテリ満足系”では欠かせないメジャー級の料理でしょう。

■部位別に焼肉に合うワインを詳しく知りたいという方は、【焼肉】に合うワイン?3つのキーワードから部位別ペアリングまでをチェック!

また、大きく切った豚バラ肉を焼いて甘辛いタレをつけて、青唐辛子やニンニクなどの薬味、キムチと一緒にゴマの葉に包んで食べる「サムギョプサル」もエース級の人気。

おかずやご飯を葉物野菜で包んで食べる「サム文化」は、高麗時代から続く伝統的なスタイル。また「サムギョプサル」というのは、元々は豚肉の部位の名前で、赤身と脂が三層になったバラ肉のことを意味しています。

「骨付きカルビ」や「サムギョプサル」のような、脂のうま味がしっかりした焼肉料理に合うワインは、渋みと果実味がポイント。飽きずに食べていくには、口の中に広がる脂を切ったり包み込んだりしてくれる赤ワインのタンニン(渋み)が効果的ですし、甘辛いタレのものなら、それに同調する果実味が大事な役割を果たします。

この2つの要素を持ったワインでおすすめしたいのが、古木のジンファンデルから造られるカリフォルニアの赤ワイン。干しプラム、ブルーベリー、カシスジャムに、ナツメグやシナモンなどのスパイス香もあり、タンニンも緻密で抜群の相性です。

クライン / オールド・ヴァイン ジンファンデル ロダイ 2019
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・ヴァレー / ロダイ
品種
ジンファンデル
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【滋味深あっさり系】サムゲタン(参鶏湯)・ポッサム(茹で豚)

唐辛子の辛みや濃厚な脂分ではなく、韓国にはじんわりとしたうま味が特徴的な“滋味深あっさり系”の料理もあります。

日本でも有名な「サムゲタン(参鶏湯)」はその代表格。

一羽分の鶏に、もち米やナツメ、栗、朝鮮人参などを詰めてじっくり煮込んだ、コラーゲンたっぷりの薬膳料理です。滋養強壮に良いということで、韓国では夏場の体力補充のために食べる料理として定着。土用の丑の日にうなぎを食べるという日本の習慣に少し似ています。

ペアリングには、ちょっと意外かもしれませんがジョージアのオレンジワインを。

サムゲタンの鶏肉のうま味と漢方食材特有の風味に合わせて、ハーブやスパイスの香り、さらに土っぽさがありながらも、クリアな酸味があるこのオレンジワインには、料理に寄り添いながら体にしみていくようなおいしさがあります。

ストリ・マラニ / ムツヴァネ クヴェヴリ 2018
産地
ジョージア / カヘティ地域
品種
ムツヴァネ100%
タイプ
オレンジワイン - 辛口 - ミディアムフル

“滋味深あっさり系”で、もう一つ注目したい料理が「ポッサム」です。

「ポッサム」は、言わば“茹で版のサムギョプサル”。スープで茹でた豚肉(バラ肉や赤身肉など)を、キムチやニンニクなどと一緒に野菜に巻いて食べる料理です。

茹でた豚肉はしっとり柔らかくて、余分な脂は落ちているのでヘルシー。でも、豚肉のうま味はしっかり味わえます。

刺激的な辛みやどっしりした脂分がなく、しっかりしたうま味が持ち味の豚肉料理には、赤ワインと白ワインの“いいとこどり”であるロゼがおすすめ。果実味がしっかりしたこのグルナッシュのロゼは、やさしいタンニンと酸味、八角やシナモンなどのスパイス感もあり、まさに打ってつけです。

トイスナー / サルサ ロゼ 2018
産地
オーストラリア / 南オーストラリア州 / バロッサ・ヴァレー
品種
グルナッシュ39%、マタロ(ムールヴェードル)36%、モンテプルチアーノ25%
タイプ
ロゼワイン - 辛口 - ミディアムフル

ちなみに「ポッサムキムチ」と呼ばれるキムチがありますが、豚肉料理のポッサムとは関係ありません。ポッサムキムチは白菜に魚介類などをたっぷり包んで作った高級キムチのことで、包んで作ることから“ポッサム”という言葉が使われているのだとか。ちょっと紛らわしいですね。

以上、韓国料理を大きく3つのタイプに分けながら、おすすめのペアリングワインをご紹介しました。基本の要素を押さえれば、あとは自由!お好みで色々と楽しんでいただければと思います。

それでは最後に、“韓国料理×ワイン”のペアリングを実際に体験できる店をご紹介しましょう。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

BYOもできる!おすすめの韓国料理店3軒

「色々と分かってきたから、自分で選んだワインを持ち込んで試してみたい!」という人にも、「とりあえず“韓国料理×ワイン”のペアリングを実際に体験してみたい!」という人にも楽しんでもらえる店を…。編集部ではそんな条件をもとに、3軒の韓国料理店を厳選しました。ぜひご活用ください。

■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!
【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法

恵比寿ファイヤーガーデン

韓国のチゲやチーズタッカルビといった料理だけでなく、タイ、中国、シンガポールなどアジア各国のスパイシーなエスニック料理と、世界各国より厳選した100種類以上のワインが楽しめるダイニングレストラン。料理はピリ辛~超激辛に調整可能ということなので、ワインと食べ手の好みに合わせて、自由に楽しめそうな一軒です。

恵比寿ファイヤーガーデン
  • 住所:〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-29-9 ツゥロワイー代官山B1F
  • TEL:03-6416-5024

赤坂 おんがね

30年以上の歴史を誇る赤坂の名店がリニューアル。韓国料理の大御所が手掛ける店で、本格的な韓国料理の味わいが楽しめます。定番の「チヂミ」や「チャプチェ」をはじめ、韓国料理のルーツを感じる宮廷料理のような逸品の数々も。個室も完備されているので、じっくりワインペアリングを楽しむことができます。

赤坂 おんがね
  • 住所:〒107-0052 東京都港区赤坂3-6-13 アニマート赤坂1F
  • TEL:03-5549-2141

麻布 タッカンマリ 本店

韓国版の水炊きとも呼ばれる「タッカンマリ」が名物の一軒。土鍋で食べる和風のタッカンマリで、ベースとなるスープの種類も選択可能。ワインごとに最適なグラスを貸し出ししてくれて、持ち込み料もかなりリーズナブルなので、滋味深あっさり系の韓国料理でワインペアリングを試したい方には、特におすすめです。

麻布 タッカンマリ 本店
  • 住所:〒106-0045 東京都港区麻布十番2-13-9 クレスト麻布2F
  • TEL:03-5765-9180

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【焼鳥】に合うワイン?基本法則から串別ペアリングまで&BYOも可能なおすすめ3軒

専門店はもとより、居酒屋でも家飲みでも人気の焼鳥。串と一緒に楽しむ酒と言えば、ビール、レモンサワー、ハイボール、日本酒あたりが定番かもしれませんが、ワインもなかなかのもの!中にはソムリエがいる焼鳥店もあって「串1本ごとに1杯のグラスワインを」なんていうサービスも提供されています。

そこで今回は、焼鳥に合うワインを選ぶ基本の法則からスタートして、焼鳥の代表的な5種のネタ(部位)のタイプ別に合うワインを紹介。最後に、BYOまでできてしまうという焼鳥店を厳選してご紹介します。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

気軽に“焼鳥ワイン”。パターンをちょっと知っておくだけで、ワインを持ち込みでおいしく楽しむことまでできるはず。では、基本の法則からまず始めましょう。

【基本の法則】ポイントは5つ!

ペアリングのためにはいくつかの視点やポイントがありますが、それらを5つの基本法則でまとめてみました。

ポイント1:「色」を合わせる

白い焼鳥には白ワイン、赤茶の焼鳥には赤ワインといった単純な原則です。もちろん、それが絶対ではありませんが、ワインの知識がまだあまりないという方は、そこから始めてみましょう!ハツやレバーなどの肉の部位の色のみならず、塩orタレもこの「色合わせの法則」が概ね通用します。

ポイント2:「ボディ」を合わせる

さっぱりした部位なら、ライトボディのワイン。脂がジュワッと広がる部位なら、ミディアムボディのワインを…といった具合です。ボディ、つまり、鶏肉の脂分の度合いとワインの果実味やアルコールの度合いを合わせるのがポイントです。

ポイント3:「香り」を合わせる

炭火直焼の焼鳥であれば、樽熟成したワインがおすすめ。カラメルやトーストのような樽由来のワインの香りが、少し焦げた焼鳥の香ばしさとよくマッチします。

ポイント4:「味の度合い」を合わせる

甘味、酸味、塩味、苦味、うま味。これを基本の五味と言います。その焼鳥串がどんな味わいなのかに注目すると、相性の良いワインが選びやすくなります。後で、代表的な5種のネタ(部位)のタイプ別に具体例を紹介していきます。

ポイント5:「シュワシュワ」で押し通す

ビールやハイボールが好き!という方は「炭酸のシュワシュワがないと物足りない!」ということになりがち。そんな方は、まずはスパークリングワインでのペアリングなら入りやすいかと思います。高級な焼鳥店ならシャンパンでもいいですが、おすすめは辛口ロゼのカバ。コスパ&オールマイティーさ重視でお試しを。

…と、ここまでが基本の法則です。

なんとなく“イメトレ”ができたなら、それでOK!細かいことは後からまた振り返ってみればよいので、今度は焼鳥の代表的な5種のネタ(部位)のタイプ別に合うワインを具体的に探っていくことにしましょう。

【ささみしそ梅】ドライなロゼで梅のニュアンスも

ささみは、やわらかな食感で淡白な味わい。高タンパク低カロリーということもあって、老若男女に人気の串です。添えられる梅肉は酸味がしっかり、シソのさわやかな青い香りもアクセントになっています。

白くて、脂が少ないさっぱり串なので、ライトボディの白ワインも合いますが、おすすめはドライなロゼ。梅のニュアンスを引き立ててくれます。

エシュ&バニエ / コトー・デクス・アン・プロヴァンス ロゼ 2018
産地
フランス / プロヴァンス地方 / コトー・ド・エクサンプロヴァンス
品種
グルナッシュ60%、サンソー40%
タイプ
ロゼワイン - 辛口 - ミディアムライト

【ねぎま・つくね】塩サッパリ系に、樽香なしの白 

ねぎまは、店によってムネ肉とモモ肉のどちらを使っているか異なり、脂の度合いに差が出たりしますが、ポイントはネギ。青い野菜の風味がアクセントになっています。つくねも、細かく刻んだシソや生姜が練り込まれていることがありますね。

そんな塩サッパリ系で、少し野菜や薬味の風味がある串には、樽香がついていないソーヴィニヨン・ブランや甲州を。ステンレスタンク熟成でピュア&ストレートな味わいの白ワインは値段もリーズナブルなものも多くて、好相性です。

甲斐ワイナリー / かざま 甲州 シュール・リー 720ml 2020
産地
日本 / 山梨県 / 甲州市
品種
甲州100%
タイプ
白ワイン - 中辛口(セミドライ) - ライトボディ

【手羽先・皮】脂ジュワ〜な塩串に、コク豊かな白

噛むとジュワ〜と鶏肉のジューシーな脂が広がる…そんな焼鳥が好きな人も多いはず。さらに炭火で焼き目がついた塩串なら、皮目の香ばしさとちょっとクリスピーな食感もたまりませんね。

脂のボディがしっかりあり、香ばしさも感じる塩串には、果実味も樽熟成の風味もある、ミディアムボディの白ワインがピッタリ。ブルゴーニュならマコン地区のものがいいですが、ここはカリフォルニアのシャルドネで、まずは合わせてみてはいかがでしょう。

ジョエル・ゴット / シャルドネ サンタ・バーバラ・カウンティ 2017
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・コースト / サンタ・バーバラ
品種
シャルドネ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【レバー】内臓串は、味つけの度合い次第で

新鮮さが命。焼鳥の内臓串の王者は、やはりレバーでしょう。塩で焼いたものやハツなどのあっさり系の内臓串には、ブルゴーニュのピノ・ノワールがよく合います。

2013 メルキュレ・シャトー・ミ・ポン/トラミエ・エ・フィス
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

一方、しっかりしたタレの味付けで、レバー特有のトロッとした食感が残る絶妙な焼き加減のものであれば、甘味やうま味もしっかりとした赤ワインを合わせたいところ。意外かもしれませんが、赤いベリーのジャムのような風味があるジンファンデルという選択肢もあり!です。

クライン / オールド・ヴァイン ジンファンデル ロダイ 2019
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・ヴァレー / ロダイ
品種
ジンファンデル
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【ぼんぢり・ちょうちん】濃厚な希少部位のタレ串に、ボディある赤

鶏肉の希少部位の串も最近は人気。尾羽が生えている部分の肉「ぼんぢり」は、弾力ある食感で、脂の旨みがしっかり。また、卵の形になる前の卵黄の部分“きんかん”と付随する“ひも”を串にした「ちょうちん」は、トロリとした食感も味わいも濃厚で、どちらも甘辛いタレがよく合います。

パワーみなぎるタレ串には、渋みはやや控えめながらも果実味と骨格がある赤ワインを。スペインのテンプラニーリョ種やポルトガルの赤ワインがおすすめです。

ルイス・パト / レベル 2019
産地
ポルトガル / ベイラス地方 / バイラーダ
品種
バガ90%、トウリガ・ナショナル9%、ビカル1%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

焼鳥の5種のネタ(部位)のタイプ別でご紹介してきましたが、焼鳥も鶏肉料理の一つ。料理とワインのマリアージュやペアリングの基本を知っている方なら、そう特別に考える必要はありません。

■基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介!をチェック!

それでは、最後に“焼鳥×ワイン”のペアリングを実際に体験できる焼鳥店をご紹介しましょう。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

BYOもできる!おすすめの焼鳥店3軒

「色々と分かってきたから、自分で選んだワインを持ち込んで試してみたい!」という人にも、「とりあえず“焼鳥×ワイン”のペアリングを実際に体験してみたい!」という人にも楽しんでもらえる店を…。編集部ではそんな条件をもとに、3軒の焼鳥店を厳選しました。ぜひご活用ください。

■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!
【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

とり鉄 三軒茶屋店

この店は、日本ワインが充実。常時40種ほどの銘柄を取りそろえ、グラスワインも日本ワイン。常時赤・白2種ずつ770円で提供。また、持ち込み料1本999円で、WINE@オンラインショップからの直送も可能です。

とり鉄 三軒茶屋店
  • 住所:〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-38-7 フォーラムN&N B1F
  • TEL:03-5779-9410

庄助(門前仲町)

門前仲町の路地裏に佇む焼鳥の老舗。サラリーマンが一人で食べ歩くあの有名グルメドラマにも登場した人気店で、名物は「串焼きつくね」。生ピーマンと一緒に食べるのがここの定番。ただし、ワイングラスの用意はないので、コップワインで気軽に楽しむのがここではツウかもしれません。

庄助
  • 住所:〒135-0047 東京都江東区富岡1-2-8
  • TEL:03-3643-9648

文鳥(亀戸)

鳥取から毎朝届く大山どりの丸鶏を捌いているので新鮮そのもの。最高級備長炭で仕上げる焼鳥はワインを楽しむにもぴったりです。お店側でのワインの抜栓やデキャンタの貸出も可能で、ワインごとにグラス変更することも事前に相談できます。

文鳥
  • 住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸2-23-10 鳥居ビル2F
  • TEL:03-6884-1855

【焼肉】に合うワイン?3つのキーワードから部位別ペアリングまで&BYOも可能なおすすめ3軒

まずは、カットされたきれいな肉を目で堪能。次に、ジューっと焼ける音を耳で味わう…。口に頬張る前から“ごちそう感”が始まっている焼肉は、食事の中でも特にエンターテイメント色が強く、人気メニューであることは間違いないでしょう。

現在の日本の焼肉スタイルのルーツには諸説ありますが、朝鮮半島、韓国の牛肉の食文化に多大な影響を受けています。タン、ホルモン、ハラミ、ロース、カルビ、様々な希少部位…ビールやハイボールもいいのですが、“肉とワイン”の相性の良さも忘れてはいけません。

そこで今回は、焼肉に合うワインを選ぶための3つのキーワードとおすすめの万能ワインからスタートして、焼肉の代表的な5種の部位(メニュー)別に合うワインも紹介。最後に、BYOまでできてしまう焼肉店を厳選してご紹介します。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

気軽に“焼肉×ワイン”。パターンをちょっと知っておくだけで、ワインを持ち込みでおいしく楽しむことまでできるはず。では、基本ポイントからまず始めましょう。

失敗しないための3つのキーワード

焼肉に合うワインを選ぶ時に大事な3つのキーワードを先にご紹介しましょう。それは、タンニン(渋み)・酸味・果実味です。

焼肉は全般的に、赤身部分と脂の旨みがおいしさのポイントとなっていますが、それをさらにおいしく、飽きずに食べていくには、口の中に広がる脂を切ったり包み込んだりしてくれる赤ワインのタンニン(渋み)が効果的。

そして塩の焼肉なら、タンニンではなく酸味が脂をさっぱりさせてくれますし、甘辛いタレのものなら、それに同調する果実味が必要、というわけです。料理とワインのマリアージュやペアリングの基本を知っている方なら、そう特別に考える必要はありません。

■基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介! をチェック!

3タイプのおすすめ万能ワイン

焼肉と一口に言っても部位(メニュー)別に特徴は異なるので、それぞれに合うワインの話は後ほどしますが、まずは「ボトル1本で通せる、使い勝手の良いワインを選びたい」という人のために、3タイプのおすすめ万能ワインをご紹介しましょう。

タニックだけど果実味豊かなニューワールドの赤

焼肉メニューの多くは、タレで味付けされた肉。それなら、キーワードはタンニン(渋み)と果実味になります。アメリカや南米、オーストラリアなどのニューワールドと呼ばれる産地で造られる赤ワインには、この2つの要素を持ったワインがたくさんあります。重厚な果実感と上品なタンニンがあるカリフォルニアのこんなジンファンデルは、ど真ん中の万能ワインかもしれません。

クラインは、カリフォルニアのサステナブルワインの造り手の代表格。ローダイエリアで造られる古木のジンファンデルのワインは、こだわりとリーズナブルさの両方を兼ね備えているワインです。

クライン / オールド・ヴァイン ジンファンデル ロダイ 2019
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・ヴァレー / ロダイ
品種
ジンファンデル
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

オールマイティーな濃醇ロゼ

赤ワインと白ワインの“いいとこどり”であるロゼは、食中酒として万能であることは、他の記事でもお伝えしてきました。もちろん焼肉でもそのオールマイティーさは健在で、塩系の焼肉にも合います。ただし、果実味がしっかりしたものを選ぶこと。やさしいタンニンと酸味があるうえ、八角やシナモンなどのスパイス感もあるグルナッシュなどのロゼは、まさに打ってつけです。

トイスナー / サルサ ロゼ 2018
産地
オーストラリア / 南オーストラリア州 / バロッサ・ヴァレー
品種
グルナッシュ39%、マタロ(ムールヴェードル)36%、モンテプルチアーノ25%
タイプ
ロゼワイン - 辛口 - ミディアムフル

赤のスパークリングワイン最強説

シュワっとした炭酸の泡は脂や濃い味をさっぱりさせてくれる効果があるので、ビールやハイボール同様、スパークリングワインももちろん有効です。そこに、ポイントとなる果実味やわらかなタンニンがあれば尚よし!カバのロゼ・セコ(seco:やや甘みあり)のほか、赤のスパークリングを。果実味のある泡がタレと合うので、ぜひ一度お試しください。

ブヴェ・ラデュべ / ルビー・エクセランス ドゥミ・セック N.V.
産地
フランス / ロワール地方
品種
カベルネ・フラン、ガメイ、グロロー
タイプ
赤スパークリングワイン - 中甘口(セミスイート) - ミディアムフル

では、さらにこだわってみたい方、グラスワインで色々試してみたい方のために、今度は焼肉の代表的な5種の部位(メニュー)別に合うワインを具体的に探っていくことにしましょう。

【タン塩】炭火の香ばしさも活かすグリューナー

塩で堪能する焼肉の代表格と言えば、タン塩。実はタンはかなり脂分が多いので、塩胡椒とネギでさっぱり焼き上げるのが最適というわけです。

しっかりめの脂、塩味、ネギの風味と同調しながらも、よりふくよかに味を広げてくれるのが、世界的評価を受けるオーストラリア・タスマニアのオーガニックな白ワイン。品種は、ヨーロッパのオーストリアで有名なグリューナー・ヴェルトリーナーです。

引き締まった酸味がある一方で、果実味が凝縮してボディもあり。絶妙な焼き加減のタンを味わいながらワインを口に含むと、柑橘や白胡椒の香りがタンの旨みや味付けの胡椒とも重なります。

2014 バイオダイナミック・グリューナー・ヴェルトリーナー/ステファノ・ルビアナ
産地
オーストラリア・タスマニア
品種
グリューナー・ヴェルトリーナー
タイプ
ミディアムフル辛口 白

【豚トロ】辛口のロゼでさっぱり。南仏のロゼ

塩系の焼肉メニューから、もう一つ。牛肉メニューの中でも埋もれることなく、人気を誇る豚トロです。これも脂分が多い部位ですが、牛の脂とはまた風味が異なり、口溶けがよく、やわらかな甘みが特徴です。

そのほんわりした甘みとシンプルな塩味に寄り添ってくれるワインは、ドライなロゼ。万能ワインでも登場しましたが、しっかりめの果実味を伴ったロゼはよく合いますし、産地の南仏やスペインは豚肉をよく食べるエリアでもあるので、“豚トロ×ロゼ”は理にかなっているのかもしれません。

2017 タヴェル・ロゼ/ファミーユ・ペラン
産地
フランス・コート デュ ローヌ地方
品種
グルナッシュ
タイプ
ライトボディ辛口 ロゼ

【ハラミ・肩ロース・ランプ】赤身系はタンニンよりも清涼感がある赤で

昨今そのヘルシーさからも注目を集めるのが、脂少なめの赤身肉。肉本来のうま味も感じられるとあって、肩ロースやランプ、希少部位ではイチボやミスジなどの人気が高まっています。ハラミは横隔膜の部位なので、本来はホルモンの一つなのですが、やわらかでさっぱりめの赤い肉質なので、ここで一緒にご紹介することにします。

脂少なめの赤身肉には、強いタンニンは不要。むしろ肉本来のうま味を感じづらくさせてしまうので、それよりも酸味もある赤がおすすめです。フランス・ロワールの冷涼感あるカベルネ・フランは、赤身肉との相性が良好です。

フィリップ・アリエ / シノン リュイスリー 2013
産地
フランス / ロワール地方 / トゥーレーヌ地区 / シノン
品種
カベルネ・フラン100%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【カルビ】しっかりした脂のうま味には、渋みも果実味も強めの赤

カルビは韓国語で「あばら」を意味する言葉から来ていて、日本では“(あばら周辺の)バラ肉全般”をそう呼んでいます。脂がしっかりついたお腹周りの肉で、焼くと食欲をそそる牛脂特有の香りが広がり、とろけるような食感も魅力です。

これには、しっかりしたタンニン(渋み)と果実味が必要。万能ワインで最初に紹介したタニックだけど果実味豊かなニューワールドの赤がベストセレクトとなるでしょう。とは言え、「渋いワインは苦手で…」という方は無理せず、タンニンが穏やかなものをセレクトしましょう。

2014 グレイ・カルメネール/ヴェンティスケーロ
産地
チリ
品種
カルメネール
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

【ホルモン・レバー】トリッパ文化あるイタリアの赤が意外とマッチ

内臓肉全般を指す、ホルモン。関西弁で「捨てるもの=ほおるもん」が転じて…という説をよく耳にしますが、英語の「ホルモン(体内の組織や器官を調節する物質の総称)」にあやかり、元気の源をイメージさせるということでそう呼ばれるようになったというのが有力説なのだとか。いずれにせよ、焼肉には欠かせないメニュー(部位)です。

シマチョウorテッチャン(大腸)、ヒモ(小腸)、レバー(肝臓)、ハツ(心臓)、ミノ (第1胃)、ハチノス(第2胃)などがあり、それぞれに食感や味わいは異なりますが、タンニンも果実味も突出せずにバランスの取れた赤ワインが、まとめて面倒を見てくれます。おすすめは、同じく内臓(トリッパ)の料理を食す文化があるイタリア内陸部の赤。トスカーナ州のサンジョヴェーゼ種のワインを1本ご紹介します。

2012 ロッソ・ディ・トスカーナ/レッチャイア
産地
イタリア・トスカーナ州
品種
サンジョヴェーゼ・グロッソ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

以上、焼肉の5種の部位別でご紹介してきました。3つのキーワードと3タイプの万能ワインを基本に、お好みで色々と楽しんでいただければと思います。

それでは、最後に“焼肉×ワイン”のペアリングを実際に体験できる焼肉店をご紹介しましょう。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

BYOもできる!おすすめの焼肉店3軒

「色々と分かってきたから、自分で選んだワインを持ち込んで試してみたい!」という人にも、「とりあえず“焼肉×ワイン”のペアリングを実際に体験してみたい!」という人にも楽しんでもらえる店を…。編集部ではそんな条件をもとに、3軒の焼肉店を厳選しました。ぜひご活用ください。

■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!

【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

焼肉稲田(目黒)

あの有名な精肉卸「ヤザワミート」が手がける目黒の焼肉店。肉汁溢れるハンバーグが代名詞の世界中にもファンがいる五反田「ミート矢澤」に、グルメバーガーファン垂涎の恵比寿「BLACOWS」、そして食通にはおなじみの白金「今福」…焼肉×ワインを楽しむなら、黒毛和牛の名手が手がけるこの店はマストでしょう。

焼肉稲田
  • 住所:〒141-0021東京都品川区上大崎2-13-45 トラストリンク第Ⅲビル2F
  • TEL:03-5447-2914

焼肉の名門 天壇店 銀座

実は、京都は焼肉の名店激戦区。この店は1965年に京都で誕生した「焼肉の名門 天壇」の銀座店です。真心こもった伝統店ならではのサービスとともに、焼肉&ワインを堪能できます。泡、白、赤それぞれに合ったグラスを常備しているのでBYOも安心。また、お店のワインも上質な肉に合うようセレクトされています。

焼肉の名門 天壇 銀座店
  • 住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目13-19 デュープレックス銀座タワー5/13 10F
  • TEL:050-3116-3768

あかつき(吉祥寺)

吉祥寺の地元民に愛されている焼肉店で、「おいしい赤身肉とは何なのか」を追求する店主が選び抜いた赤身肉は約15種類も揃っているそう。ほんの少しサシが入ることで、よりおいしく味わえる赤身肉が色々あるので、店のワインでもBYOでも、肉&赤ワインの世界をしっかり堪能できるはずです。

あかつき
  • 住所:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-30-16 加藤ビルB1F
  • TEL:0422-27-2032

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【天ぷら】に合うワイン?5つのパターン別ペアリング&BYOも可能なおすすめ3軒

ユネスコ無形文化遺産に登録されている「和食」。多くの外国人観光客が旅行目的の一つにするほどですが、和食の中で常に人気上位に入るものに、天ぷらがあります。

天ぷらを食べながらワインを飲むというスタイルは、まだまだ馴染みがないという方もいると思いますが、ワインを常備する天ぷら店も増えてきました。ワインは選び方一つで、また違ったおいしさが生み出されるので、日本酒やビールとは異なったペアリングの楽しみが生まれます。

そこで今回は、天ぷらに合うワインを選ぶ時の3つのキーワードからスタートして、天ぷらの5つのパターン別に合うワイン通しで楽しめる万能ワインを具体的にナビゲート。最後に、BYOまでできてしまう天ぷら店を厳選してご紹介します。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【調味料・具材・格】3つのキーワードをまず押さえよう!

天ぷら×ワインのペアリングにはいくつかの視点やポイントがありますが、まずは大事な3つのキーワードを紹介します。

「調味料」からジャッジ!

をつけて、揚げたてをシンプルに食べる。そんな繊細な天ぷらの味わいを楽しむ時には、ミネラル感のある辛口の白ワインが何と言っても間違いのないチョイスとなります。

さらにレモンやすだちなどの柑橘を少し搾って食べるものなら、同じ柑橘の香りを持つ白ワインを。抹茶塩などのフレーバー塩の場合は、その香りを同調させることで、うま味がグッと引き立ちます。

天つゆにつけて食べるなら、つゆ(出汁)のうま味に呼応する軽めの赤ワインやロゼワイン、もしくはうま味のある白ワインがおすすめです。濃いめの天つゆや甘辛いタレをかけた天丼や天重なら、果実味豊かな赤ワインも合います。

食べる天ぷらのパターンに合わせた具体的なワインについては、後ほどご紹介します。

「具材」との相性は?

天ぷらはシンプルな調理法ゆえ、繊細な料理。だから、具材そのものも重要なポイントとなります。野菜や山菜には青い香りがあり、根菜には土の香りがあり、それぞれワインの香りとも関連させると相性が良くなります。また、エビや穴子などの風味や食べ応えがある食材の場合は、ボディ(果実味やアルコール度)があるワインをセレクトするとバランスが取れる…といった要領です。

「格」を合わせる

「天ぷら」と一口に言っても、カウンタースタイルで大将が揚げたてを一つずつ提供する天ぷらもあれば、家で気軽に楽しむスーパーのお惣菜天ぷらまで様々です。スペシャルな天ぷらにはちょっと高級なワインを。家飲みのおかずやつまみならカジュアルなワインを。「格」を合わせて楽しめれば、あなたもワイン通と言えるでしょう。

3つの基本の視点が何となく把握できたら、まずはそれでOK!今度はより具体的に、天ぷらの5つのパターン別に合うワインを探っていくことにしましょう。

【塩のみ】で一番人気のエビ天を食べるなら

見た目、食感、味わい…どの点からしても個性を堪能できるエビは、不動の人気No.1の具材でしょう。

エビの風味を生かして、揚げたてに少し塩をつけてシンプルに味わうなら、やはりキリッとした酸味と海のミネラル感のある白ワインが一推し。スペインやポルトガルのアルバリーニョのワインや、樽香ほんのりのブルゴーニュのシャルドネがおすすめです。

天ぷらは揚げ物なのでバターやトーストのような樽熟成由来の香りが合うと思いきや、あまり樽香が強いと悪目立ちしてしまうので、要注意です。

ソアリェイロ / アルヴァリーニョ 2019
産地
ポルトガル / ミーニョ地方 / ヴィーニョ・ヴェルデ
品種
アルバリーニョ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムライト
フィリップ・ブズロー / ムルソー レ・グラン・シャロン 2018
産地
フランス / ブルゴーニュ地方 / コート・ド・ボーヌ / ムルソー
品種
シャルドネ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【抹茶塩・カレー塩・ハーブ塩】で野菜天や山菜天を食べるなら

インゲン、ピーマン、紫蘇(大葉)といった青い野菜類、そして春のふきのとう、わらび、たらの芽といった山菜は、それ自体に青い香りや心地よい苦味があります。それに合わせて、同じ香味を持つ甲州やソーヴィニヨン・ブランといった白ワインを合わせるのも一案です。

2020 プライベート・ビン・ソーヴィニヨン・ブラン/ヴィラ・マリア
産地
ニュージーランド
品種
ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ
ミディアムライト辛口 白

またシンプルな塩ではなく、フレーバーがついた塩をつけて食べる場合は、それ自体が薬味のような役割を果たしますので、さらにひと工夫するとグンと相性が良くなります。

抹茶塩なら、ぜひオーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナーを!ハーブや白胡椒のニュアンスが、軽やかな野菜天ぷらのおいしさを引き立ててくれます。また、野菜や山菜に限らずですが、ミックスハーブの塩やカレー塩をつけて食べる天ぷらには、香り豊かな白ワインを。ヴィオニエやドイツの辛口リースリングあたりが最適です。

クライン / ヴィオニエ ノース・コースト 2019
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / ノース・コースト
品種
ヴィオニエ
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムライト

【塩&レモン】でさっぱりと白身魚の天ぷらを食べるなら

キスなどの白身魚やイカも、天ぷらファンには欠かせない具材。強い味わいではなく、デリケートなうま味や食感が味わえるこうした具材には、塩をつけてほんの少しレモンやすだちなどを搾っていただくのも、オツな食べ方です。

そんな天ぷらに合わせるワインとしておすすめなのは、フレッシュな柑橘系の香りや酸味、そして舌を少しキュッとさせるミネラル感を持った白ワイン。アルザスのリースリング、シャルドネならシャブリが定番と言えるでしょう。

ポール・ブランク / リースリング シュロスベルグ グラン・クリュ 2016
産地
フランス / アルザス地方
品種
リースリング100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【天つゆ】でサツマイモなどの根菜の天ぷらやかき揚げを食べるなら

サツマイモ、レンコン、ニンジン、ゴボウといった根菜も天ぷらには欠かせない存在。またきのこ類もそうですが、こうした具材は風味に土のニュアンスがありますので、塩もいいのですが、温かい天つゆがとてもよく合います。

土のような香り、そして天つゆの出汁の甘みとうま味にそっと寄り添ってくれるのが、ピノ・ノワールの赤ワイン。ポイントは酸もボディも強すぎないピノを選ぶことです。おすすめなのは、ヴォルネイやポマールなどのコート・ド・ボーヌのブルゴーニュ。またオレゴンのピノ・ノワールも条件に合致するものが多いです。

2014 ヴォルネイ/ルモワスネ・ペール・エ・フィス
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

“具材のアベンジャーズ”のようなかき揚げも風味が豊かなので、こうしたピノ・ノワールのワインがよく合いますし、天つゆに大根おろしをたっぷり入れるなら、シュール・リーの白ワイン、ミュスカデや甲州も合うことでしょう。

2018 ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ・シュール・リー・レ・ウー/ランドロン
産地
フランス・ロワール地方
品種
ミュスカデ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

【タレ】をかけた天丼や穴子天を食べるなら

3つのキーワードでもお伝えしましたように、しっかりと甘辛いつゆやタレで食べる穴子天や天丼などの場合は、果実味がある赤ワインが合います。

ピノ・ノワールなら果実味がしっかりめのものがおすすめですが、スペインのテンプラニーリョ種のワインも意外とマッチします。

“天ぷら×テンプラニーリョ”。ダジャレのようですが、ウナギを食べたり、揚げ物もよく食べたりする文化があるからなのか、濃い天つゆやタレの時は、一度お試しいただきたいペアリングです。

マルケス・デ・カセレス / グラン・レゼルヴァ 2011
産地
スペイン / ラ・リオハ州 / リオハ
品種
テンプラニーリョ85%、ガルナッチャ・ティンタ(グルナッシュ)8%、グラシアーノ7%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

以上、天ぷらの5つのパターン別でご紹介してきましたが、料理とワインのマリアージュやペアリングの基本を知っている方なら、そう特別に考える必要はありません。

■基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介! をチェック!

【万能ワイン】もある?編集部おすすめのワイン3タイプ

天ぷらの5つのパターン、それぞれに合うワインの話をしましたが、「ボトル1本で通せる、使い勝手の良いワインを選びたい」という人のために、3タイプのおすすめ万能ワインもご紹介しましょう。

やっぱりスパークリングは無敵!

軽やかな揚がり具合のものでも、やはり天ぷらは揚げ物。口の中をさっぱりとリセットしてくれるスパークリングワインは、万能ワインの筆頭と言えるでしょう。家ごはんやカジュアルな天ぷらなら、スペインのカバやイタリアのプロセッコを。ちょっと高級な天ぷら店で合わせるなら、やはり「格」を合わせて、シャンパンを。シャルドネ100%で造られるブラン・ド・ブランはキリッとした酸とミネラル感があるので、カウンターで揚げたてをいただくような時は特におすすめです。

ジロ・リボ / マーレ グラン・レセルバ ブリュット・ナチューレ 2016
産地
スペイン / カタルーニャ州 / サンタ・フェ・デル・ペネデス
品種
チャレロ60%、マカベオ30%、パレリャーダ10%
タイプ
スパークリングワイン - 辛口 - ミディアムライト
NV ブリュット・エヴィデンス/ボードヴァン
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(白)

酸味とほんのり樽香があるブルゴーニュの白

ブラン・ド・ブランのシャンパンと同様、シャルドネ100%で造られるフランス・ブルゴーニュの白ワインは、上品な酸味とミネラル感があるものが多く、天ぷらにぴったり。リーズナブルなものから高級品まであるので、これも「格」を合わせて無理をせず!一つ注意してほしいのは、トーストしたような香ばしい樽由来の香り。エビ天&塩のペアリングでもお伝えしましたが、あまり樽香が強いと繊細な天ぷらの風味を台無しにしてしまい、飲み疲れしてしまいます。

ミシェル・クトー / シャサーニュ・モンラッシェ ブラン 2013
産地
フランス / ブルゴーニュ地方 / コート・ド・ボーヌ / シャサーニュ・モンラッシェ
品種
シャルドネ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル

果実味が軽やかで酸が効いたロゼワイン

赤ワインと白ワインの“いいとこどり”であるロゼは、天ぷらのペアリングでも万能。ただし、果実味や甘味がしっかりしたものではなく、酸味がキリッと感じられるものを選ぶこと。おすすめは近年、質がグッと上がってきた南仏プロヴァンスのロゼ。ちょっとリッチにいきたい場合は、ロゼの辛口シャンパンという選択肢もあります。

2018 コトー・デクス・アン・プロヴァンス・ロゼ
産地
フランス・プロヴァンス地方
品種
グルナッシュ
タイプ
ミディアムライト辛口 ロゼ

それでは、最後に“天ぷら×ワイン”のペアリングを実際に体験できる天ぷら店をご紹介しましょう。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

BYOもできる!おすすめの天ぷら店3軒

「コツが分かってきたから、自分で選んだワインを持ち込んで試してみたい!」という人にも、「とりあえず“天ぷら×ワイン”のペアリングを実際に体験してみたい!」という人にも楽しんでもらえる店を…。編集部ではそんな条件をもとに、3軒の天ぷら店を厳選しました。ぜひご活用ください。

■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!
【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法

吞ん処 二◯九(渋谷)

ナチュラルワインにこだわりあり!という渋谷の大衆居酒屋。ワインと日本酒は店内の冷蔵庫からお好きなものを選ぶというセルフスタイルも楽しい一軒です。おつまみはもちろん、天ぷらや寿司、すき焼きまであり、メインの天ぷらは、王道のエビや穴子の他、少し変わり種でおもしろいものも。BYOも1本1,500円で持ち込みができるとのことです。

吞ん処 二◯九
  • 住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-9-10 松本ビル1F
  • TEL:03-6712-7781

EBISU FRY BAR(恵比寿)

「フルーツトマトとバジルの天麩羅」や「天使の海老とチリソースナッツ」など、創意工夫を凝らした創作天ぷらが自慢という恵比寿の一軒。ワインや地酒が多数ありますが、WINE@のオンラインショップからの購入&直送OKで、持ち込み料も1本2,200円とリーズナブル。店側でのワインの抜栓やワインクーラーの貸出も可能とのことです。

EBISU FRY BAR
  • 住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-26-13 ぼくみつマンション1F
  • TEL:03-3280-8739

日本橋天ぷら魚新

西麻布にも店舗があり、5~9名で貸切可能な掘りごたつの座敷もあるため、接待にも好適な本格的天ぷら店。六本木で25年培ったという確かな技術で揚げる旬の素材の天ぷらが楽しめます。BYO対応では、WINE@オンラインショップからの直送に加え、シャンパングラス、赤白ワイングラスの貸出も可能。天ぷら×ワインを心ゆくまで堪能できます。

日本橋天ぷら魚新
  • 住所:〒103-0027 東京都中央区日本橋1-4-1 コレド日本橋4F
  • TEL:03-5205-7661

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【寿司】に合うワイン?基本法則からネタ別ペアリングまで&BYOも可能なおすすめ3軒

寿司をつまみながら、ワインを飲む。まだまだ馴染みがないという方もいると思いますが、“SUSHI”の国際化とともに日本でもワインを常備する寿司屋が増えてきました。

どんなネタを食べた後でも口の中をリセットしてくれるビール、そして米由来のうま味をたっぷり含んだ日本酒は、もちろん相性が良いのですが、ワインは選び方一つで、また違ったおいしさが生み出されます。

そこで今回は、寿司に合うワインを選ぶ基本の法則からスタートして、寿司の代表的な5種のネタ別に合うワインを紹介。最後に、BYOまでできてしまう寿司店を厳選してご紹介します。

気軽に“寿司×ワイン”。パターンをちょっと知っておくだけで、ワインを持ち込みでおいしく楽しむことまでできるはず。では、基本の法則からまず始めましょう。

【基本の法則】ポイントは3つ!

ペアリングのためにはいくつかの視点やポイントがありますが、それらを3つの基本法則でまとめてみました。

ポイント1:「色」で合わせる

まずは一番わかりやすい法則から。ネタとワインの色合わせです。白身魚や、イカやタコなどの白いネタには、白ワインを。対して、赤貝や甘海老などの少し赤みがかったネタにはロゼ、マグロなどの赤身には赤ワインが合うことが多いのです。例外はありますが、まずはこの“見た目ジャッジ”を基本として押さえておきましょう。

ポイント2:「調味料」で合わせる

をつけて食べる、さっぱりとした白身の握り。繊細な味わいを生かしてくれるのが、酸のあるすっきりした白ワインです。また、塩系でもネタの素材自体に甘みがある甘海老や、レモンや柚子が少し添えられることもあるホタテには、ほのかに甘みを感じる白やロゼがピッタリ合います。

一方、タレで煮たりツメを塗って仕上げたりする穴子やウナギは、しっかりとした甘い味があるので、果実味豊かな赤が合います(詳しくは後ほど)。

そして、寿司の調味料といえば醤油ですが、実はこの醤油が“寿司×ワイン”を難しくする要素の一つ。醤油そのものの風味に合うのは、ピノ・ノワールなどの赤ワインに限定されてしまいますが、さっぱりとした白身の握りに醤油をたっぷりつけてしまったら、そもそも台無しですよね。醤油はちょっぴり、アクセント程度につける。その辺の塩梅(あんばい)も大事なポイントとなってきます。

ポイント3:「酢飯」で合わせる&要注意ポイント

調味料の話をしましたが、酢飯に使われる酢も実は大事。白酢と呼ばれる一般的な米酢とは異なり、熟成させた酒粕を発酵させて造る赤酢を使う寿司店も最近は増えてきました。まろやかな酸味とコク豊かなうま味を持つ赤酢のシャリであれば、白身のネタでもロゼやタンニン(渋み)が僅少の赤ワインが合ったりします。

そして要注意なのが魚卵系。人気のイクラや数の子は、ワインと合わせるとどうしても生臭い印象になってしまうのです。強いて挙げるならば、キリッとした酸味と泡があるスパークリングを。「Dosage Zéroドザージュ・ゼロ)」や「Brut Nature(ブリュット・ナチュール)」と表記されたシャンパンなどがあります。

…と、ここまでが基本の法則です。

なんとなく“イメトレ”ができたなら、それでOK!細かいことは後からまた振り返ってみればよいので、今度は寿司の代表的な5種のネタのタイプ別に合うワインを具体的に探っていくことにしましょう。

【貝類】海のミネラル感や薬味のニュアンスを感じる白

さっぱりしているけれど、うま味を感じる貝類。赤貝、トリ貝、ミル貝、アワビ…なんとなく舌をじんわり締めてくるようなミネラル感も、おいしさの一つと言えるかもしれません。

そんな貝類には、塩っぽいニュアンスや海のミネラル感がある白を。ロワールのミュスカデやスペインのアルバリーニョなどがあります。また、シソや浅葱を添えるものなら、薬味のような青い香りがあるソーヴィニヨン・ブランなどもおすすめです。

2018 ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ・シュール・リー・レ・ウー/ランドロン
産地
フランス・ロワール地方
品種
ミュスカデ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

同じ貝類でも、甘みがありねっとりとした食感があるホタテには、ミネラル感とともに甘やかな香りがあるドライなリースリングがよく合います。

ポール・ブランク / リースリング シュロスベルグ グラン・クリュ 2016
産地
フランス / アルザス地方
品種
リースリング100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【白身】樽香はNG!キリッとした酸をストレートに感じる白 

タイ、ヒラメ、スズキ…やさしい弾力を感じる食感と繊細な風味がある白身は、フレッシュな魚介を食べる経験値、食文化の上に立っているからこそ楽しめるネタなのだそう。

炙りや胡麻醤油など、仕上げに“仕事”を施したものであれば、樽香がある白がいいのですが、シンプル&デリケートな白身の握りには、キリッとした酸味があり、樽香がついていない白を。シャブリに代表されるシャルドネが定番です。ステンレスタンク熟成でピュア&ストレートな味わいの白ワインは、値段もリーズナブルなものも多くて、好相性です。

2018 シャブリ/ドメーヌ・ド・ラ・コルナス
産地
フランス・ブルゴーニュ地方(シャブリ)
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

【マグロ】赤身orトロ?脂のレベルに合った赤ワインを

マグロは鉄分を含んだ赤身なので、白ワインではなく、ロゼまたは赤ワインをチョイス。脂身がなく、さっぱりとした赤身には、日本のマスカット・ベーリーAもしくは、じんわりしたうま味とミネラル感、余韻が長いブルゴーニュのピノ・ノワールがおすすめです。

2017 ブルゴーニュ・ピノ・ノワール/ロベール・シリュグ
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

脂の甘さがあるトロには、鉄分のニュアンスだけでなく、果実味もありちょっとボディも効いたピノ・ノワールを。中トロや大トロなど、脂に見合ったボリューム感(果実味やアルコール)のあるピノなら調和をもたらします。

カレラ / セントラル・コースト ピノ・ノワール 2018
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・コースト
品種
ピノ・ノワール100%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【サーモン】洋食でも定番の魚はその脂に負けないロゼ

本格的な江戸前寿司にはないネタですが、すっかり人気となったサーモン。西洋でもよく食べられる魚で、脂がしっかりのったものが多く、寿司の中では濃醇なもの。ハマチやブリなども同系のペアリングが成立します。

おすすめは、しっかりめの脂をリフレッシュしてくれる辛口のロゼワイン。やわらかな酸味とフルーティーな印象を兼ね備えたグルナッシュのロゼは特に好相性です。

2017 ピンク・ペダルズ/クロニック・セラーズ
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
グルナッシュ
タイプ
ミディアムライト辛口 ロゼ

【穴子】甘旨い“ツメ”で仕上げた寿司に、果実味のある赤

寿司職人の手仕事が活きる穴子。煮穴子のほか、白焼で甘旨いツメを塗って仕上げるものもありますが、いずれも、渋みはやや控えめながらも香ばしさと果実味がしっかりした赤ワインが調和します。

ピノ・ノワールやガメイ、グルナッシュもいいのですが、もう一段階しっかりしたもの、例えばスペインのモナストレルやボバルといった品種の赤ワインがマッチします。

2018 クワトロ・メセス/ファン・ヒル
産地
スペイン
品種
モナストレル
タイプ
フルボディ辛口 赤

以上、寿司の5種のネタ別でご紹介してきましたが、料理とワインのマリアージュやペアリングの基本を知っている方なら、そう特別に考える必要はありません。

■基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介! をチェック!

また、「どんなネタでも1本通しで楽しみたい!」という方には、“要注意の魚卵系”で登場した、スパークリングワインがやはり万能です。ちょっと高級な寿司ならシャンパン、家での気軽な手巻き寿司ならカバやプロセッコを選ぶなど、価格のレベル感も合わせて楽しむのがツウかもしれません。

それでは、最後に“寿司×ワイン”のペアリングを実際に体験できる寿司店をご紹介しましょう。

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

BYOもできる!おすすめの寿司店3軒

「色々と分かってきたから、自分で選んだワインを持ち込んで試してみたい!」という人にも、「とりあえず“寿司×ワイン”のペアリングを実際に体験してみたい!」という人にも楽しんでもらえる店を…。編集部ではそんな条件をもとに、3軒の寿司店を厳選しました。ぜひご活用ください。

■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!
【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法

青山16℃(表参道)

PH:店舗画像

「自然派ワインと鮨と鴨の店」を謳うここは、表参道駅から徒歩1分というアクセスも抜群の一軒。ひと手間加えた江戸前鮨と生産者の情熱が詰まった自然派ワインのペアリングが気軽に楽しめます。BYOの際には、シャンパングラス、ブルゴーニュグラス、ボルドーグラスの貸出が可能と、至れり尽くせりです。

青山16℃
  • 住所:〒107-0061 東京都港区北青山3-6-26 第5SIビル3F
  • TEL:03-3406-1260

すし秀 其ノ弐(四谷三丁目)

PH:店舗画像

もともと四ツ谷で23年間にわたって愛されてきた名店ですが、2018年11月にリニューアル。シャンパン、白、赤…と寿司に合う定番のワインも揃っていますが、BYOにも対応しています。職人の技を目の前で楽しめるカウンター席が基本ですが、お座敷個室(4名まで)も備えています。

すし秀 其ノ弐
  • 住所:〒160-0008 東京都新宿区四谷三栄町19-4 武田ビル1F
  • TEL:050-3312-8514

幸鮨(六本木)

PH:店舗画像

魚屋が経営している寿司屋とのことで、毎日魚河岸に行っているので、ネタは新鮮そのもの。カウンターのみの小さな店でランチが人気ですが、夜はBYOにも対応していて、ワインクーラー貸出やグラスの複数利用も応相談で可能とのこと。ただし、持ち込みの際は必ず事前予約を。詳細も合わせて相談しましょう。

幸鮨
  • 住所:〒106-0031 東京都港区西麻布3-21-24 マスヤビル1F
  • TEL:03-3478-2096

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。