コロナ禍の過去3年は飲食店の休業など、ワイン業界も売上げに閉める外食系は苦戦を強いられる一方、「家飲み」需要は活発となったことは想像するに難くない。それによって「家飲み=リーズナブルレンジワイン」という図式から、「ハレのワイン」にシフトする動きがあった。ハレのワイン代表選手「シャンパーニュ」にもその傾向は出ている。
合わせて、改めて以下の記事もお読みいただきたい。
この記事の目次
新たな家飲みスタイルに目覚めた?「シャンパーニュ」
2022年1月、シャンパーニュ委員会(CIVC)から2021年シャンパーニュの総出荷量は昨対比32%増の3億2200万本にのぼり、フランスではおよ約そ1億4200万本(+25%)と2019年のレベルにまで回復。輸出は約1億8000万本(新記録)と発表。
「これは2020年のコロナ禍により、主要なチャネルが閉じ、全世界的にイベントも中止など売上げ減少に転じたが、回復基調になったことを示している」とコメントも発表された。この時期、観光客はもとより、国内向けイベントもまだまだ自粛傾向にあったことを考えると自宅消費が牽引していたことを示していることは確かだろう。
2021年 輸出数量ランキング上位10カ国
Rank | Country | Volume 2021* | Evolutin |
1 | United States | 34 120 | +63,9% |
2 | United Kingdom | 29 877 | +40,5% |
3 | Japan | 13 814 | +28,1% |
4 | Germany | 11 174 | +10,4% |
5 | Belgium | 10 310 | +14,6% |
6 | Australia | 9 919 | +16,5% |
7 | Italy | 9 225 | +32,8% |
8 | Switzerland | 6 128 | +26,2% |
9 | Spain | 4 434 | +45,7% |
10 | Netherlands | 3 933 | +36,3% |
いよいよアフターコロナ本番か?日本国内も記録的な伸び
2021年4月、エペルネの本部から、ガエル・エゴロフさん(シャンパーニ ュ名称保護、価値向上ディレクター)が来日、
シャンパーニュの今とこれからについて、プレゼンテーションの機会を設けてくれた。
2021年の日本向けシャンパーニュ輸出量は、1381万本(2020年を28.1%増)。輸出額も3億5400万ユーロと、前年の2億7080万ユーロから増加。
また2021年全世界向け出荷量(フランス国内含む)は2020年を31%上回る3億200万本に達し、2019年の8%上回った。
これは過去10年間で記録的な記録だという。
「この数字はやはり、消費者がこのコロナ禍でそれぞれ消費スタイルを見つめ直し、ハレの時だけでなく、日常生活のなかでシャンパンを開けるというスタイルにつながっていったのではないか」
と語ってくれた。それは数字的にも現れているのかもしれない。ホテルやレストランで酒類を提供できない時期も長くあり、それによって家飲みが広がり、消費の層が開拓された。ナイトマーケットでのシャンパーニュ人気の高さ、それはイコール高価なシャンパーニュが伸び悩んだことでもあり、輸出額は2019年(コロナ禍前)と比べて横ばいことの証明かもしれない。
また、サステイナブルが何かと注目されるなか、シャンパーニュ委員会ももちろん動き出している。ボトル重量は過去15年間で7%軽量になり、1本あたりのカーボン・フットプリントは20%減少した。ボトル1本の平均の重さは835グラム。
農薬は50%減少した。サステイナブル農法を促進していて、HVE(環境価値重視)、新たなCIVCのサステイナブル認証VDC( Viticulture Durable en Champagne)などの認証を得ている栽培面積が54%に達し、2030年までに100%達成を目標と掲げている。
今年こそ盛り上がる♯champagneday、待てない人は6月1日にシャンパンを!
ちょっと、気が早いかもしれませんが、毎年10月第4金曜日は「♯champagneDay」。
皆さんご存じでしたか?
2010年にスタートした「世界中のみんなでシャンパンーニュを楽しもう!」と、
シャンパーニュ・ラヴァーがおのおの、自宅で、パーティでシャンパンを楽しみ、その様子をSNSで「♯champagneDay」とハッシュタグをつけて盛り上がろうという全世界共通の記念日。
今年は10月28日です。
んー、
まだ先で忘れちゃいそうですね。こちらは、また詳細はお伝えしますね。
そんなワインラヴァーには、あえて理由つけてシャンパンを楽しむならば6月1日はいかがでしょう?
この日は何の記念日かご存じですか?
はい「真珠の日」なんです。
真珠とシャンパンなんて関係ないじゃん! と聞こえてきそうですが。
いえいえ、実は深い関係があるんです。
真珠はフランス語でペルル(perle)、そして、シャンパンをグラスに注いだ時に「グラスの底から上ってくる泡」をシャンパーニュ地方では真珠に例えてペルルと呼ぶんです。
また、その上ってきた泡がワイングラスの縁につくる丸い泡(グラスの縁が泡で結ばれますよね)をコリエ(collier =ネックレス)」と呼ばれているんです。
ゴージャスで美しいシャンパンだからこその表現ですよね。
また、アヤラのキュヴェにはペルルというシャンパンもあるし、シャンパングラスにペルルというのもあります。
真珠とシャンパンにはそんな繋がりもあるんです。
なので6月1日はシャンパン買って、その帰りに
「ミキモト(真珠でも有名なジュエリー店ね)」か「浅草橋(真珠の卸店の宝庫)」
に寄って目の保養して、シャンパンとチーズでシャンパイ(乾杯)しましょう!
おっと、お家で飲むなら
こちらで是非!
●WRITER
wine@MAGAZINE編集部
すべてのワイン好きのために、東奔西走!ワイン初心者のお悩みを解決したり、ワイン通のためのお役立ち情報を取材したり…と、ワインの世界を日々探究中。plus wine, precious life!