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ワインに求めるのは、人生の楽しさ!WINE@トップソムリエ矢野航の魅力に迫る

2021.4.29

誰だって“おいしいワイン”を飲みたい。でも、“おいしいワイン”って何?

「ワインに求めるのは、人生の楽しさ!」と語るのは、WINE@の人気コンテンツ【WINE SELECTORS(ワインセレクターズ)】のトップソムリエの一人、矢野航さん。

横浜馬車道「トラットリア ダ ケンゾー」のソムリエにして、第10回JETCUPイタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクールでの優勝経験を持ち、現在は、駐日イタリア大使館公認イタリアワイン大使などとしても活躍する矢野さん。イタリアワインの第一人者の仕事やワインへの想い、その人柄に迫るべく、じっくりお話を伺いました。

好みのソムリエを見つけてワインを選ぶ「WINE SELECTORS」

ワインの知識に長けている有名ソムリエやシェフ(WINE SELECTORS)が、季節や様々なシチュエーションに合うおすすめのワインを紹介。ソムリエやシェフの普段は見えないプロフィール(出身、休日の過ごし方、好みの料理など)も分かるので、自分好みのワインを選ぶ強い味方になってくれます。
■詳しくは こちら

ワインを通じて、幸せになってほしい

編集部

矢野さんのサービスは「楽しい」と定評がありますね。

矢野航さん(以下、敬称略)

とにかくワインを楽しんでもらいたい。私がイタリアワインに惹かれる理由も、それに尽きると思います。イタリア人は陽気で、人生を楽しむことが大好きですから。

編集部

確かに、イタリアの人たちは楽しそうにワインを飲みますよね。

矢野

こんなに多くの方がワインを楽しむ時代になっても、まだ「ワインは難しい」とおっしゃる方がいます。何人かで飲んでいると、詳しい方と、あまり詳しくない方がいて、ワインの会話についていけない方が出たりする。置いていかれてしまった方は、ワインを敬遠してしまいますよね。

私はお客様の中に“脱落者”を出したくないんです。ワインに詳しい方も、そうでない方も、どんなお客様にも、ワインを通じて幸せになってほしいと思っています。

「育まれた土地の情景が想像できるワイン」に癒される

編集部

ワインを選ぶ際、矢野さんが基準にしているポイントは何ですか?

矢野

土地のキャラクターを大切にしている造り手のワインかどうか、ですね。

「これだけ綺麗な酸が感じられるのは、夜になると冷え込む土地柄なのだろうな」とか、「豊かな果実味は、燦々と降り注ぐ太陽を思わせるな」といった具合に、テロワールを大切に考えてワイン造りに取り組んでいる生産者のワインを飲むと、その土地の情景が浮かんできます。大きい、小さいという規模ではなく、生産者の“想い”がにじみ出たワインには、魅力がありますから。

編集部

ワインを飲むと、そのワインが育まれた環境が見えてくるというわけですね。

矢野

私はサーフィンが趣味なんですが、なかなか海に行くことができない昨今の状況の中、最近は家でニュージーランドのソーヴィニョン・ブランを飲むことが多いんです。

特にマールボロ近郊のワインには、どこか潮風を感じるものがあるので、そんなワインを飲むことで、気持ちのささくれを癒しているのかもしれません。ワインには旅の代替になるような、そんな力もあります。

編集部

サーフィンの他に、ボクシングも趣味だとか。

矢野

身体を鍛えることや健康には気を遣っています。以前はよくジムにも通っていました。

落語から学ぶソムリエの至芸

編集部

矢野さんは、他にも最近ハマっていることがありそうですね。

矢野

実は「落語」にハマっていて…。YouTubeで志ん朝(三代目古今亭志ん朝1938~2001)の落語を聞いたのがきっかけで、すっかりやみつきになりました。落語を聞いているうちに、「これはサービスの勉強にもなる!」と気づきました。噺家さんはたった一人で、話術だけで、大勢のお客さんを噺の世界に引きずり込んでしまう。

考えてみればソムリエの仕事も、お客様を、遠いヨーロッパの田舎で造られているワイン世界にご案内しているようなもの。召し上がる方に、少しでも現地の様子を想像していただけるよう、より心がけてワインをおすすめするようになりました。

編集部

趣味の落語が、サービスにも影響を与えたということですか。

矢野

もともと、ピュアで、テロワールに素直なワインが好きでしたが、それは、お客様にも造られた環境や造った人を感じていただけるからだったんだと思います。私は映画も好きなんですが、その理由も同じかな。観るだけで世界のどこかに行った気分になる。『ゴッドファーザー』とか、大好きです。

編集部

時間や空間を飛び越える楽しさがありますね。

矢野

ワインも料理も、季節、時間、シチュエーションが大切です。ともすれば、それを飛び越える楽しさもワインにはある。ヴィンテージを見ると「ああこの頃、こんなことをしていたなあ」なんて思い出すことがあるでしょう?

「哲学」というと難しそうですが、情景や人を思いながらワインを飲むことは、この上なく楽しい。そういうお手伝いができるソムリエという職業は、幸せな仕事だと思っています。

矢野航(やの・わたる)
横浜馬車道のイタリアン「トラットリア ダ ケンゾー」ソムリエ。駐日イタリア大使館公認のイタリアワイン大使も務めるイタリアワインの第一人者。2016年、第10回JETCUPイタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクールで優勝。イタリア人のような陽気な人生に憧れ、楽しませることが大好き。

■Myワイン評価基準
綺麗な酸
コスパの良さ
生産者の想い

■矢野航さんがセレクトするおすすめワイン&詳しいプロフィールは こちら

 

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