まだまだ旅行をするのも難しいなか、手軽にレジャー気分を楽しむスタイルが人気です。べランピング、グランピング、ソロキャンプ…といったキーワードも、最近はよく耳にするようになりました。
2016年施行の改正祝日法で新設された「山の日」、そしてお盆休みももうすぐ…。
ワイン好きのみなさんが、少しでも楽しい夏を過ごせるよう、今回は話題のレジャーのキーワードと共に、家でも屋外でも手軽に作れる絶品チーズ料理3品とそれぞれに合うおすすめワインを、チーズプロフェッショナルでもある編集長の佐野がご紹介します。
この記事の目次
ソロキャンプ、グランピング、ベランピングとは?
家にいながら気軽にキャンプのようなレジャー感を味わえるアクティビティ。そんな話題のキーワードを、まずは簡単に説明しておきましょう。あなたもこの夏、実践できるものがあるかもしれません。
ソロキャンプ
読んで字の如く、一人でじっくり楽しむキャンプスタイルのことです。自分の時間を大切する“お一人様ブーム”と共に、新しいアウトドアとして注目を集めています。オートキャンプ場などの施設から始めて、上級者になると山で野営をするようになるなど、経験値で楽しみ方も変わっていくようです。
グランピング
「Glamorous(グラマラス)」と「Camping(キャンピング)」を組み合わせた造語で、魅力的でおしゃれなキャンプスタイルといった意味になるでしょうか。コテージやトレーラーハウスなど施設の形態は様々ですが、キャンプ用品などは用意されているため、リゾート感覚で手軽にアウトドア気分を味わえるのが特徴です。
ベランピング
「ベランダ」と「グランピング」を合わせた造語。家のベランダで、ちょっとおしゃれなキャンプスタイルを楽しむことを言います。マンションやアパートでは、特に騒音や火の扱いに制限があるので要注意ですが、料理はキッチンで作って、ベランダにキャンプ用のチェアを置いてゆるりとワインと一緒に味わうだけでも、非日常感はグッと増すはずです。
アウトドアにまつわるキーワードを整理したところで、野外でも楽しめる簡単チーズ料理3品のレシピと、それぞれに合うペアリングワインを紹介していきましょう!
【カマンベールのホイル焼き】まるで即席フォンデュ!
本場フランスのものでも、国産のものでもOK。カマンベールは、キャンプでも活躍してくれるチーズの代表選手です。材料は、カマンベール(200g以上のもの)1個、白ワイン、塩胡椒、ローズマリーだけ!
カマンベールの上面の外皮をカットして取り除き(もしくは横半分にカットして2つにして)、アルミホイルで周りを包んでグリル。家ならオーブントースターでも作れます。
少し溶けてきたら、白ワイン少々を入れ、ローズマリーと塩胡椒を加えて、スプーンでやさしくかき混ぜていき、トロトロになったら完成。カットしたバゲットやクラッカーなど、お好みのものをつけてチーズフォンデュのように食べれば、ワインが飲みたくなること間違いなしです。
チーズのしっかりした味わいとハーブの香りに合わせて、心地よい苦みと果実味を持ったスペインのカバやロゼワインを。お手頃ワインで、風味もピタリと合わせましょう。
【なんちゃってラクレット】野菜・きのこ・肉…何でもOK!
専用のオーブンやグリルで大きなチーズを焼いて「ザザーっと削りかける」のがラクレットの醍醐味…ですが、もっと手軽に買えるチーズで作って、ワインのアテとして楽しんでみましょう。
ジャガイモやトウモロコシなどの野菜、椎茸やエリンギといったきのこ類、さらにソーセージなどの肉類をグリルして、具材を準備。家ならオーブントースターやフライパンを使っても、もちろんOKです。
チーズはラクレットでなくとも、ゴーダやチェダーなどのセミハードタイプのチーズでOK。1cm程度の厚さにスライスして、小さめのフライパンやスキレットに入れ、弱火〜中火でじっくり溶かして、準備万端の野菜やきのこなどの上にトロ〜リとかければ出来あがり。
チーズは、ピザ用のシュレッドチーズでも構いません。ただし、一度にたくさん溶かすのではなく、一回分ずつ溶かして具材にかけて食べるのがポイント。チーズが冷めて固まってしまうとおいしさが半減してしまいます。
ワインは、香ばしい樽香がある白ワインか、ガメイなどの軽めの赤ワインがよく合います。
【焼きチーズ】ワインのつまみにぴったりの食感と塩気
チーズには、加熱してもトロ〜リと溶けないものがあります。フレッシュタイプに分類される、ギリシャの「フェタ」やキプロスの「ハルーミ(ハロウミ)」、大豆などから作られた植物性の「ヴィーガンチーズ」などがあります。こうしたチーズは、専門店でなくても、最近は輸入食材のスーパーでよく売られています。
真っ白で豆腐のようなチーズは、小麦粉を軽くはたくように付けたら、フライパンやホットプレートで中火で焼き目が付くまで焼くだけ。シコシコとした食感も残って、ワインのつまみに最適です。トロッと溶けて流れ出すことがないので、バーベキューの網や魚焼きグリルでも焼くことができます。
ただし、「フェタ」は塩水漬けによって保存性をもたせたチーズなので、前日にちょっと味見してみましょう。塩辛いときは、あらかじめ薄い塩水に1晩浸して塩抜きをしておく手間が必要です。
また、衣をつけてアルミホイルの上で焼くと、チーズフライのような仕上がりになり、また違ったおいしさが体験できます。
シンプルな焼きチーズなら、同郷の地中海エリアの白ワインがおすすめ。潮っぽいミネラル感が合うと思います。衣焼きの場合は、果実味と胡椒などのスパイス感がある赤のスパークリングがイチオシです。
【山の日】は、レジャー気分でワインを!
2021年は東京オリンピック・パラリンピックの影響から、8月8日が「山の日」。ですが、本来は8月11日で、お盆シーズンの前にやってくる8月唯一の国民の祝日です。
8月11日に山に関する特別な出来事があったわけではなく、「海の日」の制定が一つのきっかけとなり、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という主旨のもと、2016年に施行されました。
アウトドア気分で楽しむ、簡単チーズ料理とワイン。
山の緑に包まれるソロキャンプやグランピングに出かける人も、山のレジャーには出かけずに家でベランピングを楽しむ人も、ぜひ参考にしていただければと思います。